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第25章 Clayのもとへ還る心

「ああ、涼子……」

　ふだんとは質の異なるその声が、どうしようもなく高揚感を煽ってくる。ボクサーパンツ越しに手で愛撫したり唇で咥えたりすると、それは硬さを取り戻し始めた。ぴくりとかすかに反応をみせる彼の分身が愛おしく、なんだか頬ずりしたい気分になり、涼子は思わず笑みをこぼした。

「ふふ」
「なんだよ」
「ううん、可愛いの」

　慈しみを込めた手つきで撫でながら答えると、素直に反応する分身とは違って彼は苦笑を浮かべる。それがまたおかしくて、愛くるしい。

「好きよ。大好き」

　一瞬目を見開いた彼は上体を起こし、両わきの下に手を入れてきた。強引に身体を引き寄せられ、奪われる唇。

「んんっ……」

　照れ隠しのキスは激しい。大人の男がときおり見せる子供のような一面は、女の心の奥底にある深い感情を呼び起こす。ひとしきり貪られてようやく唇を離されると、涼子は目の前にある瞳を見つめた。

「……してあげる」

　猛りをさすりながらそう囁けば、その瞳は戸惑いに揺れ、やがて彼は“降参”を意味する柔らかな笑みを浮かべた。
　窮屈そうに膨れるボクサーパンツを下にずらすと、吃立したそれが姿を現した。雄々しく反り返る極上の竿。流れこんだ血液によって硬く膨張したその猛りを掴むと、それは熱くたぎり、愛撫されることを待ちわびているようだ。

　先端に、挨拶がわりの口づけを落とす。鈴口をひかえめに口に含んで舐めまわしながら、右手で竿をしごき、その下にある陰嚢を左手で軽くさする。
　視線を感じて少しだけ顔を上げてみると、彼のとろりとした甘いまなざしがそこにある。涼子は恥じらいにそっと目を伏せ、彼自身を根元から舐め上げたり、そうして唾液で十分に濡らした裏筋を、親指の腹で撫でたりしてやった。

「……っ、ああ……」

　艶のある吐息が聞こえた。彼が、悦んでいる。