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琥珀色に染まるとき
第25章 Clayのもとへ還る心

背後で横たわっていた彼が身体を起こしながら、絡み合う互いの脚をほどく。交わりを抜かないよう、ゆっくりと。変化していく挿入感にいちいち小さな声をあげていると、やがていつもの向かい合ってする体勢になり、彼が覆いかぶさってきた。
優しいキスを一つ落とし、彼は微笑む。そして、どちらからともなく抱きしめ合う。強力な安心感に包まれ、すべての不安から解き放たれる瞬間に身を委ねる。
抽送を始めた彼が色っぽく呻いた。彼の最も感じているときの声だ。体内に抱く彼の大いなるものは、今にも白い溶岩を放出させようと硬く膨張している。
それをこの身の奥に受け止め、いつの日か、かけがえのない希望の光と出会うことができたなら。その小さな希望をこの胸に抱くことができたなら、この先もずっと、彼とともに困難を乗り越えていけるような気がする。
「あい、し……」
朦朧とした意識のもとでは、その言葉を最後まで声にできたのか涼子にはわからなかった。しかし、彼が続きを引き受けてくれた。
「愛してるよ。ずっと」
「……っ」
にじむ視界、まぶたからこぼれ落ちる温かな涙。速くなる抽送、乱れる呼吸。極限まで追いつめられ、声を枯らし、広い背中に爪を立てる。
やがて、そのときは来た。
「涼子……っ」
激しく波打ち魅惑の香りを漂わせる海の底へ、彼はそのかすれ声とともに熱い愛の源を放った――。
一緒に生きていきたい。これからもずっと。
どれほど苦しいことがあろうと、何度迷おうとも、必ずこの気持ちを思い出そう。真に護るべきものを見つけたとき、人は今よりもっと強く、優しくなれるのだから。
――景仁……。
その決意を胸に抱き、涼子は心の中で愛する男の名を呼んだ。彼の、愛の香りに溺れながら。

