第6回 官能小説コンテスト 審査員総評

選考会のようす

■ 総評 審査委員長小林弘利先生

ネット映像を含む二次元世界でのセックスを文字起こししただけのような作品が多く、人物設定なども冴えない善人の男性とタイプの違う二人の美女で物語を展開させる、というパターンばかりだったような全体印象でした。オンライン文学だとは言え、やはり文学作品である以上は文章を通して登場人物の心の動きを描いてほしい。ヒリヒリするような思いを描いてほしい。痛みやうずきを擬音ではなく文章で表現してほしい。向こうから勝手に好きになってくれて、はいどうぞ、と足を開いてくれる、というような展開も多く、主人公がなにひとつ「事に及ぶまでの苦労」をしてない印象になる。まるで自販機のようにコインを入れたらポンっと商品が出てくるようにセックスが行われる。官能というのはそういうお手軽なものからは匂い立ってこない。作者はマンガ、ネット動画、あるいは風俗店のセックスしか知らないのじゃないか。そう思ってしまう。
生身の人間がいて、日常の暮らしがあり、そこに官能が加わることで日常が変わり、自分の中に自分の知らなかった自分を発見して当惑し、その事実を拒絶し、けれど抗うことができないまま官能に落ちていく。もう今までの自分には戻れない。それはわかっているのに引き返せない。そういう自分の変化が周囲にもさざなみを広げ、関わる人達がそれぞれに運命を狂わされていく。
官能小説というのは、そういうドラマを描くことで、はじめて人間の営みの哀切が浮かび上がってくるようなジャンルであってほしい。そうでないと、ただの読むオカズでしかなくなるし、それなら原稿用紙何百枚もの文字を連ねる意味が感じられない。と。
もう一つ。作品世界が「半径300メートル」くらいの世界しか描いていない印象が強く、もっと物語をダイナミックに動かし、背景となる風景に変化をつけていくこともあっていいかと思われます。
それでは
最終選考に残った作品たちについてのぼくなりのコメントです。今回は良かったものと、そうでなかったものとの差があまり大きくはなかったので、最終審査結果にも審査員ごとにばらつきが多かったです。そこで「官能小説たり得ているか」「男性目線だけで女性を捉えていないか」「文体に個性があるか」「読みやすい文章か」という視点でふるいにかけていった形になります。
なので大賞作品が際立っていたわけではなく、総じて減点が少なかった、ということになります。

溺愛 ~ どうか 夢のままで ~

ヒロインのかまととぶりや頭が弱いとさえ思える世間知らずぶりは都合の良い物語のために存在しているかのようだし、伊月も不破も対象的なイケメンという以上の人物造形がなされておらず、伊月の彼女や不破の不良仲間も物語の展開に与えられた役割以上のものとして描かれてはいません。また、三人を囲む世界観にリアルさも足りていないように感じます。そういったマイナスがありつつも最後まで《秘密》を保させながら読ませていくことの出来る作品でした。官能場面でも行為そのものよりも、男なり女なりの心の動きに注目した描き方になっていることに好感を持ちました。
後半のひねりが多少とってつけた印象がありつつも、狂った関係の哀しさが伝わる表現だったように思います。

フリマアプリの恋人

ようやく小説という形になっているものを読めたという印象。いきなり性愛描写からはじまるような作品が多いなか、ちゃんと人物や世界観の提示がなされ、人の行動や心の動きに合わせて、徐々に官能場面へと筆が進んで行く。そのジラす感じが好ましいと感じました。けれどその官能場面は、というと、やはり、美しい女性を相手にお互いに求め合うスタイルの行為として描かれ、背徳やモラルの崩壊や日常が呑み込まれて行くようなスリリングさ、《ヤバさ》、そして読者を興奮させるような《エロさ》は薄く、ジラしたわりには淡白、という気がします。主人公たち以外の幼馴染や、大学の生徒や義理の母たちの描かれ方がとても良くて、小説としてのクオリティを感じます。義理の母が主人公を思って自分を慰めるような場面や幼馴染がヒロインを思いながら他の女を抱くような、そういう描き方がなされるのが、官能小説だろう、とも思いますし、ヒロインが性愛に溺れて行く様子も、もっと克明に描写されるべきだろう、とも思い、その点がマイナス・ポイントとなっています。

キズ×ナデ【Hな傷跡と仮初の愛撫】

エッチなシーンもあるラノベという感じで、平凡な男に美女がふたり、向うから好意を寄せてくる、という最近よく見かける「都合がいい妄想」の域を出ていないラブアフェアに新味がない。だが、文章や物語の展開はそれなりに「謎」を引っ張る運びになっていて、物語の先を読ませる力がある。
女性のほうから接極的にアプローチしてくる、という安易な作劇テンプレが惜しい。官能小説としては「官能」がただ「気持ちいい」とか「快感」としか扱われていないので浅い印象しか持てない。

淫戯日記・恵子 ~続けてもいいですか~

一人称で綴られる日記風の小説。痴漢を求めて電車に乗る女、という設定に目新しさはあるものの、どのように触られたかを描写するだけで、それがただ繰り返されるだけだった。そこには公共の場で快楽に溺れる背徳感や羞恥が語られても良いシチュエーションなのに、恵子が感じるはずの他者の目、というものがまるで描写されず、そこが私室であっても心情に目立った違いはないように思える。また「見られていることで興奮する」というような側面にも触れられていない。
これではblogのような文章であっても小説とは言えないのではないか。そこに主人公の心の内側を語ろう、描こう、みつめよう、という作者の意思が感じられない。

彼の世界は官能で出来ている。

官能小説というよりは、お仕事コメディといった印象。官能シーンには特別な文体のテクニックは感じられず、ラノベ風の平凡なヒロインに超絶イケメンが二人で好き好きと言ってくれるという「夢」物語。コメディとしては同じシチュエーションや台詞が繰り返され、物語のテンションも終盤になって初当場するキャラに頼って無理にクライマックス感を出そうとしている。もう少し脇の人物たちを描き込めば、軽いコメディとしては楽しめるかも、だが、いかんせん小説としての文章になっていないところが大いに気になる。それがいま風だ、というのであれば、こういう形もアリなのかもしれないが。

舞い降りた天使

これは官能小説と言うよりも恋愛小説という感じで、人妻と青年との恋を描いた一般小説として読んでしまいました。文体が携帯小説文体でなければ、そのまま普通の恋愛小説として成立するでしょうし、娘の生き生きとした描写や青年の甥っ子や姉の描写など、ちゃんと小説のサブキャラとして作品世界の中に存在していて好感が持てます。ヒロインの自己否定の強さがやや鼻につきますが、小説としての難点はそれくらいではないかと思います。ただ、官能小説として、という括りで見ると、官能の描き方が淡白でそこに割いているページ数も極端に少ないので、大きな減点ともなるでしょう。

ぬるぬるマッサージどうでしょう

文章そのものは読みやすくて、こなれている印象。けれど主人公に魅力が乏しく、物語というよりもハウ・ツー物という感じ。だから官能場面もエロよりも取説を読んでいるようで面白みに欠ける。つまりは官能小説となり得ていない。それは男の気持ちを描いているように見えて、最初の電車内での視姦からラストシーンに至るまで何ら成長も変化もしていない、ということからして、何も描いてはいないことが明らかとなる。この作品でも女性はエロ場面のためだけに都合よく現れ主人公のほうからアプローチを仕掛ける、ということがない。都合が良すぎてドラマが何も起こらない。

身代わりの夜

官能場面の大盤振る舞い。サエない男にタイプの違う美女ふたり、という定番すぎる人物設定にシラノ・ド・ベルジュラック的な要素を加味した作品。読んでいて、新鮮さはまるで感じないし、主人公の性格も好きになれない。善人が性愛の中で野獣のように豹変に行く、というのはとても良いけれど、その《変わって行く自分》に対する戸惑いも怖れも描写されないのでモラルからインモラルへと境界線を超える瞬間のスリリングさが感じられないのが残念。
ストーリーを官能を中心にして展開させて行ってこその官能小説だと思うし、その意味では、これぞ官能小説と言える作品。だが、語られるストーリーが面白くないのが残念。

青い残り火

これは青春小説で官能小説ではない。ドラマがあるのは西崎先生と兄との関係だけで、他は共感できない主人公と共感できないヒロインの学国生活が描かれるだけ、という印象、官能シーンでも女性ごとの変化や心情の違いは説明されている以上には語られていない。

郁美の真実 〜妻を閉じ込めた魂の檻〜

小説の体裁を取っていない。手記という文学形態もあるから、そういう目で読んではみても、語り手が妻のことを書いているだけで、そこに自分の中に同居している精神的なSとMの部分に対する認識や、その目醒めにどう向き合っていくのかという部分への考察などが極端なほど欠けているし妻を寝取られている男の気持ちも描かれていない。そういう己れの中にある嫉妬やアブノーマルな心とどう接して行くのかが物語(手記)の中心に置かれるべき.だと思うが、いたってモラルに即した結末へ向うだけだった。多目的トイレを身障者用トイレと書き続けるセンスもいただけない。

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■ 総評 大泉りか先生

第6回官能小説コンテストの最終選考にノミネートされた皆さま、そして受賞された皆さま、おめでとうございます。

少し間をおいて開催された今回のコンテストですが、それが功を奏したのか、きっちりと構成が練られ、丁寧に書かれた作品が多く、楽しく読ませていただきました。

が、その一方で、残念ながら、どこかで読んだことのあるような、既視感のあるストーリーが多かったようにも思いました。例えば世の中に流通している、商業ベースの官能小説でいえば、和姦モノはハッピーエンド、凌辱モノはバッドエンドが多いですし、キャラクターについても、女性向け作品の場合は、感情移入しやすい<ふつうの女の子>をヒロインに据える一方で、<高スペックな男性>を相手役とすることが一般的です。一方で、男性向けの場合のヒロインは<高嶺の花>として描かれ、けれども都合よく主人公に陥落し、ベッドの上では驚くほど淫らに乱れてくれる。

官能小説は元も子もない言い方をすると「男女が出会ってセックスをする」という話です。たった一文で説明できる事象ですが、多くの皆さんはご存じの通り、ひとつの官能作品を作り上げるのは、簡単な話でもありません。例えば濡れ場においては、迫力や臨場感、繊細な心の動きを描写する筆力が、ストーリーにおいてはユニークな発想が必要とされます。

もちろん、読者のことを考えれば、主人公にとって都合のいい展開になるのは当然のことでもあります。官能小説が「オナニーのオカズ」という側面がある以上、いい心地のよい展開と、期待する濡れ場のシーンはマストです。

けれども、コンテストで頭ひとつ出るためには、いわゆる濡れ場以外のストーリー部分で、ありがちな展開をなぞるのではなく、オリジナリティが必要ではないかと思うのです。

もしかすると、このコンテストは、「ノミネート以前に、作品をサイトに掲載し、読者の方たちに読んでもらう」という前提があるゆえに「読者にウケる作品」ということを自然と意識することになってしまうのかもしれません。けれど、誰かがすでに描いている規定を辿るのではなく、せっかくならば、唯一無二の世界観と、最も自分がエロスを感じる濡れ場とを描いた作品をぜひ、描いていっていただくと、より優れた作品が生まれることになるのではないかと思います。

溺愛 ~ どうか 夢のままで ~

今回のノミネート作品の中では、ストーリーのオリジナリティが、一番高かったと思います。オチでは、まんまと驚かされました。陰鬱な作品で、読み手を選ぶとは思いますが、こういった陰のストーリーを好む読者も多いと思うので、届くべき人に届いてほしい作品です。

フリマアプリの恋人

文章能力がとても高く、「上手だなぁ」と思いながら読みました。キャラもしっかり立っていますし、ストーリー構成も、テッパンではあるものの、自然な展開です。しかし官能小説というのならば、ヒロインの濡れ場が少ないのが物足りなく、また美しい義母や妹の濡れ場も描いて欲しいところです。

キズ×ナデ【Hな傷跡と仮初の愛撫】

個人的にとても好きな作品でした。ヒロインと主人公の距離が近づいていく過程が自然で、性的な発展も無理がない。また、ヒロインがただ受け身なのではなく、きちんと性欲のある女性として描かれているのも好感を持ちました。男女両方の目線で描かれているのも、読みやすくてよかったです。

淫戯日記・恵子 ~続けてもいいですか~

痴漢男性たちの生態や、専門用語などが興味深く、とても面白く読みました。受け身ではなく、自分の性癖と対峙して実現するヒロインのキャラクターも魅力的で、個人的にとても好感を持ちましたが、その<性癖>の形が、いまいちわかりにくかったのが残念です。描写力がとても高く、臨場感たっぷりなところも魅力でしたが、少し多弁すぎて読みにくい部分も。抑える部分は抑え、濡れ場などは引き続きこってりとメリハリをつけると、さらに読みやすくなると思います。

彼の世界は官能で出来ている。

官能小説業界を舞台にした作品ということで、親近感を持って読ませていただきました。コメディタッチなこともあり、わくわくドキドキしながら楽しく読めましたし、ラストも大団円で、元気のでる作品です。ひとつ欲をいえば登場人物の職業などを取材してリアリティを付け加えると、ぐっと良くなるように思います。

舞い降りた天使

純愛ストーリーとして楽しめました。官能表現は薄いものの、主人公の心情と、ヒロインへの思いが、よく描かれています。せっかく沖縄の場面などがあるのだから、沖縄の街の風景などが描かれていると、もっと華やかな小説になったと思います。

ぬるぬるマッサージどうでしょう

しっかりと官能小説として成立している秀作だと思います。主人公キャラもわかりやすく、店を訪れる女性たちの描写もリアリティがあり、そそられました。主人公が精神的に成長する様子が、描かれていたら、もっとよかったと思うのですが、実はもう少し続く予定だったのでしょうか。

身代わりの夜

王道中の王道の官能作品で、濡れ場の迫力は随一ではないでしょうか。ストーリーも身代わりものという変化球でとても楽しめました。官能小説のヒロインは、ドスケベな女性がやっぱりいいですね!

青い残り火

学生時代の焦れったさと青さを思い出して、ドキドキと甘酸っぱい読感を楽しめました。一馬がたんなるイケメンの王子様ではなく、ちゃんと生臭い欲望の持ち主として、また芽衣も不器用ながら、ずるい面もある人物に描かれていて、双方、息の通っているキャラクターだと思いました。文章はこなれていて、とても読みやすいものの、官能小説と呼ぶには、濡れ場があっさりしすぎているところが、少し残念です。

郁美の真実 〜妻を閉じ込めた魂の檻〜

調教報告ブログを覗き見している感覚で面白かったです。wの多用などが少し気になりました。ウェブ上でのやり取りとしてリアリティはありますし、男性陣の下衆さを出すことに成功していますが、少しノリが軽い印象がもったいないです。会話が発言のひとつを「必要か」「無駄ではないか」と精査すると、よりギュッと詰まった作品になるかもしれません。主人公の妻への思いもあっさりしていて、せっかくの<寝取られ>の設定が生かされていないのも、もったいなく思いました。

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■ 総評 内藤みか先生

今回最終選考に残った10作品はバラエティに富んだものでした。TL風のものもあれば百合もあり、そうかと思えば昭和タッチのものやコメディ風のものもあり、面白く目を通すことができました。とはいえ、選考しながら考えたのは「このサイトならではの個性とはなんだろう」ということを考えさせられました。

投稿された方々が、ご自身の趣向についてこだわりがあることはわかりますし、それを貫かれるべきだとも思います。とはいえこの第6回官能小説コンテストは、この「無料で読める大人のケータイ官能小説」というサイトが開催したものです。開催の目的は、このサイトをより盛り上げたいからだと思うのです。

コンテストというものは、自分の思いの丈をただぶつけるためにあるものではありません。読者を欲情させ、喜ばせる作品でありたいものです。そして応募先に合った、応募先のサイトが盛り上がるような、そんな部分も入れ込んでいる作品であってほしいと感じます。

そんなことは難しいと思うかもしれません。でも私たちプロは、日頃、いろいろなサイトから原稿の依頼を受け、書いています。常に同じ文体というわけにはいきません。サイトに多少中身などを合わせつつ、自分の色を貫いています。ぜひプロの予行練習も兼ねて、この「サイトに多少中身などを合わせつつ」の部分を備えた作品に仕上げていただきたいなと思っています。

媚びるとはまた意味が違います。それは本当に簡単なことです。「無料で読める大人のケータイ官能小説」を愛読し、サイトを好きになり、一緒にこのサイトを盛り上げたい、という気持ちになる、そういうところが必要かもしれません。ということでまずはぜひ、この最終候補作10作を読み比べて、味わっていただけたらと思います。

溺愛 ~ どうか 夢のままで ~

官能表現に卓越したものがあり、高く評価できる作品です。擬音一つとっても大変凝っていて、将来がとても楽しみです。とはいえ兄妹、それからクスリというダブル禁断は、読む人が限られてしまいかねず、それはとてももったいないことです。また、クスリを持ち出すとなんでもありになってしまうので、ラストはしっかりお互いの意思を確認しあった上での絡みがあったほうが読者は安心できるのではないでしょうか。

フリマアプリの恋人

キャラクターづくりが評価できる作品ですし、タイトルも秀逸です。けれど逆にそのキャラ力の高さが裏目に出てしまったところがとても残念。せっかく冒頭で生き生きと義理の母と義理の妹を出したのに、まったく色恋的な絡みにならなかったのです。読者はこの二人の女性を好ましく感じ、この2人もいやらしいことになっちゃうんだろうなと期待を膨らませてしまうのですから、大変もったいない話です。官能小説ならば、絡みのない女性を冒頭に出すべきではなかったのです。

キズ×ナデ【Hな傷跡と仮初の愛撫】

全般的にまとまっているお話でした。ただ、上手にまとまりすぎてしまったがために、この作品の個性が見えづらくなってしまったのが気がかりです。浪人してコンビニで働き出すことも、そのコンビニに美少女がやってくることも、少年マンガや美少女ゲームなどで、たくさん出てくるシチュエーションです。それだけに作品のオリジナリティが必要で、他とはこういうところが違うのだという部分を、もっと色濃く出していただきたかったと思います。

淫戯日記・恵子 ~続けてもいいですか~

全編にエロスが漂うとても素敵な作品。ラストにも百合的要素が盛り込まれ、大団円となっていて華々しいです。ただタイトルが「日記」とありますが、日記風ではないため他の案も考えたほうがいいかもしれません。また、変態さんたちが大勢登場し楽しかったのですが、彼らが何故そうなったかの描写がないと展開に唐突感が出てしまいます。こうした理由でこのようなことを欲するようになり、それゆえこのように苦しんでいるなどの書き込みがそれぞれのキャラクターにあれば、高い順位も期待できます。

彼の世界は官能で出来ている。

こちらの登場人物は私好みのイケメンだったこともあり、かなりの高得点を付けました。
イケメンが官能小説家になるという設定は近頃増えていますが、その中でもキャラに強めのクセを入れているため、魅力的な人物像になっています。とはいえたとえ小説表現であっても一般的にタブー視されている幼女ネタをふんだんに盛り込む必要はあったでしょうあ。また、前半がコミカルでアップテンポであっただけに後半の濡れ場でもそのノリが続いてしまうのはもったいないです。これは官能小説のコンテストですから、照れずにしっかりと描写を書き込んでいただきたかったです。

舞い降りた天使

アイデアはいくつか良いと思える部分がありましたがこのお話は、なにしろ後味が読者の期待とは違う方向に行ってしまっている気がします。この主人公は、職場の同僚である子持ちの人妻を誘惑し、結果離婚させてしまうのですから。そこまでのことをするほどの深い愛情が彼には感じられないのです。読者の共感を得るためには、もう少し彼やその人妻の置かれた状況とその心理を解説する必要があると思います。

ぬるぬるマッサージどうでしょう

男性目線の小説で、テンポも良く、無駄に長くなく、とても扇情的。面白く読めました。マッサージ業界の裏をノゾいたかのような詳細な解説も良かったです。個人的にはこの作品がイチ押しで、内藤みか賞があるとしたら差し上げていたことでしょう。ただしラスト付近で好みの女性にだけ尻尾を振ってしまうというのは女性的にはちょっとがっかり。もっとストイックに客ファーストな男となり、プロのマッサージ師としての成長を遂げていただきたかったなと、そこだけが心残りです。人物の一人一人は魅力的なだけに残念です。

身代わりの夜

大変昭和タッチで、官能表現も、その頃によく使われた言葉を多用されています。もちろん、レトロな味を出すためには、あえて今風の表現を使わずこのままでもよろしいのですが、ただ、こちらのサイトで発表する必然性はあるでしょうか。応募前にサイトを熟読され、微調整されると上位にいくことができたかもしれません。描写力はとても濃厚なのですが、女性たちが性的なことに従順すぎたのも、もう少しためらいや恥じらいがあったほうがいいように感じました。

青い残り火

この作品、一番評価したのはストーリー展開の部分です。なかなか入り組んだ複雑な話に挑戦された部分はとても素晴らしいです。けれど、ご自身のアイデアを消化できないまま話が進んでしまったため、時間軸に混乱が起きたり、話が途中でわかりづらくなってしまったところは惜しいところです。主人公が本当は誰が好きなのかも見えにくかったです。何度か読み返して話がかみ合わない部分に気づいて修正する時間があれば、話もまとまったかもしれません。

郁美の真実 〜妻を閉じ込めた魂の檻〜

リベンジポルノという今風の題材がとても新しさがあり、良いと思います。特に冒頭は二重丸です。しかし主人公の心理描写が薄いのがとてももったいないところ。妻が他の男に犯されていると知った時、普通ならば嫉妬に苦しむものではないでしょうか。それなのに犯人の男とコラボに至ってしまえるでしょうか。主人公にSっ気があったにしても、感情の揺れがもっと欲しいのです。オチも、あっさり離婚してしまうのではなく、妻を支配し続けることを誓う、それが俺の間、というような感じのほうが読者は嬉しいかもしれません。

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