第1回 官能小説コンテスト 受賞作品
-
大賞感じさせて作者 くらうさ不倫・禁断の恋ある主婦が、裏ビデオにスカウトされた
表示する
-
真咲南朋先生
「さあオナニーするぞ!」と意気込んで読もうとしていたこと自体が恥ずかしくなるくらいの良い作品。これこそが女性の書いた官能小説って感じがしました。私の知り合いが「泣くことはオナニーだ」という女性がいましたがまさにその通り、切なくて泣けて焦らされてキュンキュンして抜ける作品。こんな真っ直ぐな愛情をぶつけ合ってみたいと思いました。 -
神田つばき先生
裏ビデオのスカウトという「ウシジマくん」や「スワン」なら真っ先にこすっからい事をして殺されそうなキャラクターと、夫に不満があっても世間知らずでフワフワーっと生きている主婦、という正反対の男女が結ばれる純愛を描いて成功している。いかにもなコワモテ系やエログロ系の事件など描かず、最初から終わりまで二人の世界から足を踏み出さなかったのがよかった。オープンカフェから映画館までのくだりは、不倫をしたことのある人なら一度は体験するであろう切なさにあふれて、60~70年代のフランス映画を見ているようだ。人が人を好きになる、好きだから官能を燃やす―「恋愛」と「官能」のバランスもよかった。 -
深谷陽先生
個人的に一番好きな作品でした。
もっと汚い部分を見せつけられることを覚悟して読み始めたら実は純愛で
満たされない人妻が救いを求めるに終止するかと見せて実は彼女が一人の男を救う物語。
一話一話の区切りも、
繰り返しの多い序盤から急展開のクライマックスへ流れるようで
徐々にのめり込み読後爽やかでした。
ただ他の方がおっしゃるように官能描写的にはやや大人しいと思いました。
あと、うさちゃんが設定よりかなり年上に読めてしまいました。
物語的には、むしろそちらの印象に沿った設定、
若過ぎるシンヤにもっと引け目を感じるくらい年上の設定でよかったのでは、とも。 -
大泉りか先生
「自分の話である」「自伝である」とは一切書いてはいませんが、作者本人のペンネームとヒロインの名前が近いところ、そして文章の書き口がリアル(現実の人物が語りかけているような、呟きの形)なところからして、いわばケータイ小説の王道ともいえるいわゆる『リアル系ケータイ小説』作品であると言えます。官能小説というには、性表現が物足りなかったりするところもありますが、ストーリー全体の甘酸っぱい雰囲気からすると、むしろこれくらいソフトなほうが読者も読みやすかったと思います。大賞、おめでとうございます。 -
渋谷さえら先生
主人公がシンヤに救われていく話かと思いきや…という感じで読み進めていたが、予想外な話の展開だった。物語の流れが綺麗ではあったが、性描写自体は少なかったので官能小説と言われるとどうだろう?と感じる部分もあった。
-
-
優秀賞ラブカルチャースクール作者 藤見 暁良主婦・人妻・熟女貴女の夜の生活を向上させます…。
表示する
-
真咲南朋先生
文体も読みやすく一気に読めてしまうライトさが良いと思いました。オナニーしようと思って右手に携帯、左手にローターを持って読んでいましたが、実に良いタイミングでエロいシーンに流れこむのでオカズにしやすかったです。オナニーにもってこいです。女性向けAVや携帯ゲームなどになったら相当人気が出るんじゃないかな。講師陣を好みの俳優さんに当てはめるとさらに幸せな気分になれます。(ちなみに韓流好きの私の友人も絶賛しておりました) -
神田つばき先生
男性が風俗で安心して遊べるように、女も素敵なご主人様にお相手してもらえる安全な場所があればいいのにね……と、M女性どうしで話したことがある。「でも、風俗店のお客になるのって、何か冷めちゃうね」という話になったが、それがカルチャースクールだったら抵抗なく行けるだろうし、罪悪感なくいろんな男性のテクニックを体験できる。この着想が素晴らしい。レディコミやAVのどぎつさはなく、女性器と快感の仕組みについて正確かつ精細に描写している点も評価したい。凌辱的なストーリーが必要な女性もいる一方で、こういった静かに読み進められる官能小説を求めている女性も少なくないと思う。 -
深谷陽先生
80年代の少年漫画界を風靡した「ラブコメ」の、
「ぱっとしない主人公が何故か魅力的な美女達に入れ替わり立ち代わり…」
といった筋立てを男女逆転させて官能小説化したような物語ですね。
「満たされない主婦」が突然様々なタイプのイケメン講師ととっかえひっかえ…
上手くやれば女性にとって爽快な物語でしょうが
主人公への共感、感情移入の工夫がもう一つあれば…と感じました。 -
大泉りか先生
普通の主婦が新しい性の世界を覗く――ということを考えた時にカルチャースクールを題材に選んだのは、面白いと思います。複数ヒーローがいて、自分の好みを選べるところもよく、”実用”として使い勝手がいいです。性描写は決して過激ではありませんが、一人称目線であることで、より主婦の『リアルな快感』が伝わってきたように思えます。 -
渋谷さえら先生
設定が面白い。話もサクサク進んでとても読みやすかった。
擬音や名詞が少し古い感じがするので流行に目を向けるともっと良くなる。
-
-
優秀賞濡れて堕ちて……作者 壇 鬼夜SM・調教・陵辱不倫、SM、ピアス、どこまで堕ちて行くのか…
表示する
-
真咲南朋先生
サスペンス的な要素もあり、作品の雰囲気は一番好きでした。主人公の結婚生活について実に事細かに描かれていて、そこでまず引き込まれました。後半あたりの急展開はもうちょっと勿体ぶっても良かったかな。
ラストの3Pはどちらの男性も適度のサディスティック具合で興奮しました。もっともっと堕として欲しい! -
神田つばき先生
描写の過激さに目を惹かれがちだが、内容もしっかりしていて、「マゾヒズムとは何か」という問いに対する作家の答も感じ取ることのできる素晴らしい作品であった。恋愛感情の延長上に行為があってほしい、愛しているから苦痛にも耐える、と祈りながら……一方的にもたらされる刺激に官能してしまう自分も否定できず……この矛盾と拮抗を手を抜かずに描いている点を高く評価したい。過激にエスカレートする一方の展開をどう〆るのかと思って読み進めたが、12章「審判」はうまいなあ、と感心した。不幸フェチでメリーバッドエンド好きの私には読後感もよかった。 -
深谷陽先生
官能作品としては最も誠実に貪欲に描き切っているのでは、と感じました。
他の数作と重なる「満たされない人妻」の描写もリアルで
彼女の墜ちて行く様も濃厚で読んでいて息苦しくなりました。
ラストの衝撃もあり、ストーリー的にはそこで収まってからの
二人掛かりの陵辱描写がまた執拗で力が入っていましたね。 -
大泉りか先生
今回のノミネート作品の中では少ない陵辱系の小説ですが、ラストの二段オチが面白かったです。きちんと「読む人を驚かせよう、面白がらせよう」という気概を感じました。凌辱系というのは、人としてありえない酷いことをしてナンボ、酷ければ酷いほどスバラシイと思うので、もっと酷い凌辱やプレイがあってもよかったかもしれません。が、そうすると、ファン層は確かに狭くなり、「たくさんの方に読んでもらいたい」という作家さんの望みとは裏腹の結果になります。が、その分、ディープでコアな方々の指示を得ることにもなります。もしもこの作品の著者の方が凌辱系を突き進もうと思うなら、次作はぜひ、ご自身の妄想する中の一番酷い妄想を文章にしてみて欲しいと思っています。 -
渋谷さえら先生
サスペンスチックでハラハラドキドキしながら読んだら最後は…と、オチで全て持っていってくれた作品。最初の甘い展開とその後のギャップがすごくて映像化したら極端な絵柄になって面白そう。SMタグがついている作品の中で一番SMをしている作品。
-
-
優秀賞えっちなおもちゃ作者 廉野入鹿その他えっちが大好きな凛々子の恋と自慰とセックスの成長期
表示する
-
真咲南朋先生
いいですね~ポジティブな主人公!こういうキャラクターは官能小説では珍しい気がします。自慰行為やセックスには寛容だけど、恋愛上手ではない・・・これって少し前のあたしのこと?って思っちゃいました。AV女優さんを面接しているとこういう人って結構多いんですよね。なんだか親近感が沸く作品でした。
官能部分の文体もすっきり読みやすかったし、浮気の代償にライバルと彼氏をセックスをさせるところとか私がやりたいことをさらっとやってくれちゃってます。ちなみに私なら3Pにしないで最後まで彼氏と他の女のセックスを見届けたいけどなあ、それをオカズにオナニーしまくりたいよなあ。 -
神田つばき先生
楽しいセクシーポップな展開の芯には、作家が「女性の性欲」というテーマに真面目に取り組んでいることが伺われ、非常に好感が持てる。社会の表層だけを見ると性に対してオープンに自由になったかのように錯覚するが、実際に若い人たちが性の愉しさを謳歌しているかというと、必ずしもそうではない。少子化と未婚者増加の原因は、雇用と収入の不安定だけではないのだ。性が安っぽく扱われ、若い人々がそっぼを向いたのだと思う。このような優良な小説は、ぜひとも週刊誌やスポーツ紙に連載で掲載してほしい。男性諸氏もこの小説を読んだらグッと女性にモテるようになるはずだ。 -
深谷陽先生
平仮名表記の可愛げなタイトルのイメージ通りの展開で面白かったです。
主人公の持つリア充に対しての怨念的コンプレックス、
なのにやることはなまじのリア充以上に貪欲で…
この主人公の造形だけでも作者の力量が伝わります。
他のタイプの女性を主人公にした作品も読んでみたいです。 -
大泉りか先生
これも個人的に大好きな作品でした。作品にきちんとテーマがあり、「セックスとは何か……」「愛とは何なのか……」をきちんと求道している。また、キラッと光るセンテンスもところどころにあり、本当の意味で”創作”の出来る作家さんだと思います。 -
渋谷さえら先生
主人公の女の子がビッチなのにビッチ感がなくてむしろうぶっぽく感じさせるキャラクター造形の仕方が凄い。いいオチもついていてタイトルと主人公の性癖がうまくリンクしているところも良い。
-
官能小説コンテスト
大人の恋愛小説コンテスト