第3回 官能小説コンテスト 審査員総評
■ 総評 審査委員長小林弘利先生
今年で三回目になるこのコンテストですが、はじめて最優秀賞の選出にいたりませんでした。
たくさんご応募いただいていたのに、とても残念です。残念ではあるんですが、やはり《官能小説》と銘打っている以上は《官能小説として優れている作品》をこそ選ばなければなりません。
今回の最終選考に残った作品たちの中には面白く、また優れた作品もありました。けれどそれは「青春小説として」だったり「スポーツ小説として」だったりしました。肝心の官能の部分が物語の添え物になっていたり、あるいは「官能」とまで言えるほどの文章表現に至っていなかったりで、「よく書けているけれど、しかしこれを最優秀賞にしていいのか」という疑問が審査員たちに共通する気持ちだったわけです。
では、《官能小説》とは何でしょうか。
それはやはり第一には読者の性的な興奮を与える小説だ、と言えると思います。そして《官能》が物語を進めていく推進力になっている小説。
そういうものをぼくは《官能小説》と認識しますし、その上で男女(とは限らないけれど)の肉体的な接触が互いの心を支配していく過程をみつめ続ける者であって欲しいと希望します。そういう要素の上に借り物ではない作者の個性が際立っていれば最高だと考えます。
たとえば、ノーマルな生活を送っていた女性が官能に目覚め、官能に墜ちていくなら、という非日常に引き寄せられていく自分自身への恐れやモラルから逸脱していく事への不安が描かれていて欲しいし、その恐れを超えた先にある「精神の自由」や逆に「精神の崩壊」までをもとことん見つめて欲しい。
そう思います。
今回の最終選考に残った作品たちはどれも、その「とことん」の部分に筆が進むことを自主規制しているようにも見受けられました。SMの世界に目覚めていく作品も、SMのハードでディープな世界にまでは分け入っていかない感じがもどかしかったです。だって読者の想定内の出来事しか描かれないからです。その先まで「とことん」筆を進めていけば、読者の知らない、けれど興味津々な世界が待っているはずなのに。そういう世界に読者を引きずり込んで溺れさせ、息もつけないほどの興奮を疑似体験させる。読んでいるだけで読者の日常が変わっていくのではないかとまで思わせる。そういう作品に出会いたいと思っています。
無垢な少女が性に目覚めて、自分も知らなかった自分の中に滾る欲望に突き動かされていくなら、その少女の「変わっていく自分」に対する戸惑いや嫌悪や罪悪感や心の痛みをみつめて欲しいのです。その上で変わっていく自分を許し、愛し、快楽を謳歌していく様子が描かれて欲しい。
そして出来るなら「借り物」ではないイメージで物語を紡いで欲しいと思います。ゲームや既存の官能小説やアニメなどからの「借り物」のように感じられる作品も見受けられました。似ているものがあってもいいし、イメージを借りてきてもいいのです。ただ、借りてきた者を自分の個性で塗り替えて欲しいのです。
一つの場面を描いたら、どうか、もっと深く、もっと強く、もっと嘗め尽くすことは出来ないか、この場面で登場人物の心にはどんな思いが交錯するだろうか。作者や物語のご都合で人物を動かしていないだろうか、そんな気持ちで読み返してみてください。
それでは各作品に対する短評を記します。
曖昧なままに
ストーリーが前に進まない苛立ちと主人公が経験する事柄にリアリティを感じない、擬音の使い方が官能を削いでいるように感じました。
そういう難点はあるものの、二人の女性の心模様はとてもうまく表現されていると思います。
先生、早く縛って
物語性、キャラ、官能描写、それぞれ高得点ではないかと思います。特に
私の心を、身体を、時間を、すべて縛って
という文章はとても素敵でした。
今回、最後まで登場人物たちの行く末を案じながら興味深く読めたのはこの作品だけでした。
陽炎ーカゲロウー
物語として大事な部分。心情や出来事のディテールを描いて欲しい部分がことごとく伝聞で綴られるので物足りなさが募る。だからこそ短くまとまっている、ということでもあるのだけど、全体にあらすじを読まされている感じでひとつの作品を読んだ、という印象は残らなかった。登場人物は魅力的な個性派ぞろいなので、もう少し丁寧に一人一人の心の動きに寄り添ってもらいたかった。官能描写は淡白で、これを官能小説と言えるのかどうか疑問。
痴漢脳小説 ~秋津高校サッカー部~
官能小説ではないですね。これはスポーツ青春小説です。そして、そういう作品だと思えばよく書けていると思います。
女性をモノ扱いしない作品で、それは好感触。けれど、これは官能小説ではないと思います。
§ 龍王の巫女姫 §
物語は面白く、キャラもよく描き分けられていて、読み応えがありましたが、性愛が物語の中心には置かれておらず、味付けとして扱われているので官能小説と呼べるのかどうか疑問です。ただ。性愛シーンも陵辱だけにとどまらず、愛の表現として昇華されていく様子がぼくには嬉しかったです。
快楽の奴隷
正直、前半は退屈でした。ヒロインが「駄目」というたびにげんなりしました。「駄目」と「いや」しか、いわないのかこの子は。
と。
物語も同じことの繰り返しをシチュエーションのバリエーションで見せようとしている感じで串団子な印象を拭えません。
が。後半になり、ヒロインが作家のために自ら身を引こうとする辺りから、俄然、面白く読めるようになりました。その辺りからエンディングまではよどみなくプロットが展開し、串団子でもなくなっていくので読んでいて楽しかったです。
官能小説家のリアルが描かれているのかどうかは他の審査員の方にお聞きしてもらいたいです。作家としてのリアルはあまり感じませんでしたが。
貶女(おとしめ)
女性をモノ扱いするだけの話で物語性、官能性ともに低い。
堕ちていく少女の痛ましさ、快楽に目覚め少女から女になっていく心の動きなどが描写されていたなら、少しは読めるものになったかも。
思い出のアルバム
官能小説というよりエッチなラノベという感じ。
物語を語るというより全体的にあらすじを読まされている感じ。
そのあらすじ自体は悪くはないし、最後の写真が現像されるところもいい感じに泣ける場面になるだろうけれど。なにぶんにもヒロインの心情の揺れが描きこまれないので、自分勝手な思い込みだけで生きているように感じられてしまう。一つ一つの場面、心の動きを丁寧に追いかけたなら素敵な青春小説になった可能性もあるので残念。
偽りの身の上〜身代わりの姫君〜
美女と野獣のアレンジ版としては面白くツイストも聞いているけれど、官能小説ではない。
■ 総評 神田つばき先生
本年も「文章力」「官能描写力」「構成力」の三点に着眼しながら、力作を読ませていただきました。まずは、入選あるいはノミネートされた作品だけでなく、どの作家さんも構成がうまくなっておられることに感心しています。携帯小説は新聞の連載小説と同様、読者に毎日同じ熱量の文章を届けるという使命があり、その中で大きな流れをどこまでふくらませるか、という工夫が必要です。その意味で、構成力に安定を感じる作品が揃いました。
「文章力」については、やや力の差が出てきていると感じました。重箱の隅を突くようで申しわけないのですが、明らかな言葉の選択まちがい、伏線を回収していない等が見受けられた作品は、点数を減じさせていただきました。職業や家事のある中での執筆で、時間に限りがあると思いますが、自分の書いた文章を声に出して読む習慣持っていただくことも大切だと思います。
また、「官能描写力」については、皆さん官能シーンを描く力があり、状況を書き分ける力が向上してきていると感じました。その中で、官能シーンを描くことがイコール官能描写なのか、というテーマに私たち審査員も直面した回です。行為に至るまでの時間、すでに心の中に小さく灯って、身を熱く焦がしていく感情―。行為に続く日常の時間、熾火のように身体の奥でいつまでも消えない欲望―。そういった行為の前後をていねいに描いていただくことで、豊かな官能が匂い立つはずです。私が大賞なしに賛同したのは、その観点から物足りなさを感じたためです。次回の励みとしていただければ幸いです。
皆さんの作品のおかげで、審査員も熱く語り合い、お互いの考えを深く知る貴重な時間を持つことができました。私たちもまた感動の心を忘れず、精進してまいりたいと気持ちを新たにしました。
曖昧なままに
一般に男性は性愛の行為についてはよく語るけれども、その思いについてはくわしく語らない人が多いように思う。つまり、何を見て、何を思って勃起するのか、射精するのか、という男の「興奮の仕組み」は、女性にとってはなかなか興味深い謎なのだ。男性の心理、女性の心理ともにバランスよく書けている点に読みごたえがあった。
愛美の独白になる第13章は、この章だけ人称が変わるのでどうかと危惧したが、内容がよかった。柴崎はありがちな存在なのだが、愛美の心理をきちんと描いているので、読ませる章となっていた。個人的に好きな物語であり、漢字や人称の間違いがなければ、二位以上に推薦したかった。
先生、早く縛って
妻や彼女ではない、でも対等にセックスを楽しむセフレとも違う―「愛奴」という立場に身を置く女性は、決して表に出てこないだけで、意外に多いのではないかと思っている。この作品は、「愛奴だから感じることのできた幸せ、というものがあるのではないか」という、今日的なテーマに貫かれていると感じたのは、私の深読みだろうか?
SMにおいて「深くなる」ということは、行為が激しくなることではなく、心が縛られて互いの存在を分かちがたくなることだ、と信じているので、この作品には惹きこまれるものがあった。エンディングがややすんなり結んだ感はあった。今後もこのテーマで物語を書いていただきたいと願う。
陽炎ーカゲロウー
池上遼一の初期作品『おえん』に見るような、江戸時代のアウトローの世界の官能を楽しませてもらった。生娘の激しい羞恥など、描写が深くていねいで、総評の冒頭に書いた「行為の前の時間」「行為に続く時間」の、ひそやかな官能が豊かに描けている。
もう一つのテーマとして、『傷の官能』がこの作品の大きな魅力であった。サチの顔の傷はもちろん、最後にサチと共に歩む八尋も性別に傷を持つ者と言える。市九郎とサチの官能シーンに、サチのスカーフェイスの魅力を愛でる描写があれば、迷わず大賞に推したかった。作者の今後に大きな期待を寄せている。
痴漢脳小説 ~秋津高校サッカー部~
官能描写があまりにも少なかったため、個人的には辛い採点をする結果となってしまったが、いちばん注目を集めた作品でもあった。「痴漢脳」という言葉だけでも読ませるし、期待を裏切らない着想の新しさに、文章力の確かさも加わった意欲作であった。
AVのドラマライターの身としては、R18映像では倫理的に制作できないもの―特に未成年者の性を描くこと―を文芸作品で読みたいという願いがある。 SFやホラーなど新しい設定の官能小説も読みたい。「痴漢脳小説」シリーズの継続に期待する。官能シーンを増やして、ぜひ挑戦していただきたい。
§ 龍王の巫女姫 §
長編でありながら、世界観も文体も最後まで崩れるところがなく、美しさが群を抜いていた。見事というほかない。言葉の一つ一つを、宝石を嵌め込むように吟味して磨いていることが伝わってくる。
異国で過去年代、というと読む側は一瞬身構えるものだが、気がつけば精細で美しい描写に楽しまされ、珍しいお菓子を口に含むように、一行一行を味わって読むことができた。
官能作品とは、行為の描写だけでは成立しない。物語を綴る部分にも、読み手の五感を自由にさせる仕掛けがあれば、現実の官能より深く心が解き放たれることがある。そんな官能の旅をありがとうと、作者にはなむけの言葉を贈りたい。
快楽の奴隷
官能シーンのみについて言えば、個人的には非常に楽しめた作品だった。さまざまなシチュエーションでの行為を描き分けようという意欲も感じたし、「オナニーをするためにネカフェに入る」という最初の設定も好きである。欲望をつのらせている女性が、男性にぶつけるのではなく、他人の気配のある場所でかなえようとする―という設定はリアリティがある。
見つけてしまったのが「実は作者でした」というのはいいとして、後半で「実は死んでしまいました」「実は嘘でした」と重なると、絵空事になってしまい、せっかくの興奮が冷まされてしまう。男が自分のキャラクターに悩み、消そうとしているという伏線を2~3作っておけば、と残念。日々書き進めていく携帯小説で、そういった工夫は難しいと思うが、トライしてほしい。
貶女(おとしめ)
携帯小説らしい携帯小説、長期にわたり毎日楽しみに読んでいる読者のツボをよくわかっている。官能シーンも配分よく、読みやすく描いて飽きさせないし、目次の作り方もケータイ読者にとってはありがたい。前半と後半で舞台は変わるが、「貶められていく女」というテーマを貫き、ラストで軽く運命に報復して、長尺のストーリーをうまくまとめている。
個人的に横溝正史の小説に見るような因習というテーマが好きで、なぜか官能をそそられるので、後半は特に楽しめた。密やかな妖しい祭などのテーマは研究の価値もあり、和風のエキゾチシズムを感じさせてくれる。今後も読むことができたら非常に嬉しい。
思い出のアルバム
「アルバム」というテーマが非常に良かった。デジカメが普及する前には、恋人同士が撮った写真にはいろいろな思いがこめられていた。キャラクターも自然で共感しやすい。
残念なのは、ラスト付近で文章が雑になり、急いで結末を作ったのかなという印象が残ったことである。最後に許し合う二人を言葉だけでなく、性行為をからめながら描くと感動が深くなったし、官能的にも満足できたと思う。
偽りの身の上〜身代わりの姫君〜
構成もおもしろく、官能描写もふんだんにあり、もっと評価が高くなっていい作品だった。どこか絵本のような、おとぎ話のようなイメージが強く、もう少し緊張感があれば官能表現が活かされたはずだ。
冒頭だけでよいので、どこらへんの国のいつぐらいの時代、というデータがあると構成が活きた。まったくの架空でもいい。女流の歴史小説、例えば塩野七生『チェーザレ・ボルジア あるいは優雅なる冷酷』、有吉佐和子『和宮様御留』などはもちろん官能小説ではないし、性行為の表現はないが、読む者の身内に何とも言えない官能の波を起こす力があり、こんな設定の官能小説はないかといつも思っていた。
惜しくも選に漏れたが、おとぎ話ではなく官能小説として読ませる工夫をして、再び世に出してくれたら嬉しく思う。
■ 総評 大泉りか先生
第三回官能小説コンテスト受賞者、ノミネートされた方、本当におめでとうございます。第一回、第二回と続けて審査員を務めさせていただきましたが、率直にいって、回を重ねるごとに、作品のクオリティーが底上げされた印象を憶えました。
これは世の中の風潮を反映していることもあると思いますが、今回は、女性向けのTL(ティーンズラブ)作品が多い印象を受けました(もちろん、男性が読んで楽しめるであろう作品もありましたが)。「仕事に疲れて家に帰ってきて、就寝前にベッドの中で読む」ということを考えると、エッチな気分になりつつも、ハッピーな気分も味わえるTLと、電灯を消して読める携帯小説とは、とても相性がいいと思うのですが、ただ、TLという確立されたジャンルだからこそ、物語に個性を出すのが難しいですよね。女性が「キュン」とする設定や「ジュン」とするセリフを入れようとすると、つい既存のベタを周到することになり、「新しさ」というものがなくなってしまう。女性のニーズに応えつつも、自分独自の色をどうやって出していくかがキモだと思います。
また、今回もうひとつ思ったのは、「エグいほどにエロい」と思える作品が少なかったな、という印象です。その分、ストーリーはきちんと読ませるものが多くて、すっと物語に入っていくことが出来たのですが、だからこそ「濡れ場は、もっとエロくていいのに!」と少し物足りなさを感じました。
そういう意味で、『曖昧なままに』は、しっかりと濡れ場のシーンが描かれていて、良かったです。同じ相手とのくりかえしの濡れ場を描く場合、どう差別化を付けて行くかを考えることになると思います。少しずつプレイがエスカレートしていくことが通常ですが、この作品の場合“フェラチオ”という縛りがあるので、なかなか難しい。だからこそ、水着や制服などのコスチュームを入れてくるあたりの著者の方のサービス精神が、個人的に大好きで、一位に推させていただきました。また、闇を抱えたヒロインと対照的な奈央のキャラもとても好感が持てて、読みながらついつい「上手くいきますように!」と応援してしまいました。
『先生、早く縛って』は軽い携帯小説調でありながら、確かな筆力で描かれているため、女生徒のエモさと、官能の痴情の両方が、しっかりと味わえる作品でした。「Mっぽく責められたい」という女性が多いことを考えると、確実にニーズのある作品です。携帯小説らしく、閉じた世界で終わるのかと思いきや、舞台が変わるところも巧み。目を引くタイトルも素晴らしいと思います。
『陽炎ーカゲロウー』は今回の応募作品の中では少し異色ですね。ただ、こうした挑戦はとても素晴らしいと思います。こういった、ユニークな作品が読めるのも、携帯官能小説のコンテストならではだと思います。ただ、ちょっともったいないのは、各キャラの個性は非常に際立っているのに、実際に起きる事件が少ないということでしょうか。各キャラ1話ずつ、濡れ場含めて活躍するエピソードがあるとより面白く読めたかと思います。
『痴漢脳小説 ~秋津高校サッカー部~』はわたしの中の「中学生男子脳」と「ホモソーシャル好き」が「イイっ!」と激しく刺激された作品です。実はサッカーはルールもろくに知らないほどなのですが、それでも面白く読めましたし、こんなに読後感の爽やかな官能小説を読んだのは初めてかもしれません(笑)。ライトノベルと官能小説を合わせたレーベルは存在しますが、それともまた違った個性を持つ作品だと思います。この路線をぜひ、どんどん極めていって欲しいです
『快楽の奴隷』も、とても楽しく読めました。小説家の実態や蘊蓄が語られているのも、興味深かったです。ただ、TLを意識するあまりに、少し現実味のないキャラになってしまっていたのが少し残念でした。同じ著者の方の『えっちなおもちゃ』がとてもユニークな作品だったことが印象深く、個人的な願望としては、TLではないオリジナルな作品を、また描いてくださったら嬉しいです。
これより以下、あいうえお順に選評させていただきます。
『偽りの身の上~身代わりの姫君~』ザ・TLといった趣の作品ですが、ゆえに、ちょっと既視感を感じました。こういう姫モノは女性がウットリできるデティールがとても大切だと思うのですが、そのあたりも、とてもきちんと描いてあり、見事です。TLでかつファンタジーゆえに読者を選んでしまう(=男性にはちょっと難しい)かもしれませんが、官能は自分が興奮できるものを描いてこそなので、ぜひ、ご自身のテンションのあがる作品を描き続けていただきたいと思います。
『貶女』は、読んだ瞬間にぱっとアダルトゲームが思い浮かびました。女としては、読み続けるのが酷な話でもありますが、しかし意外とさらっとしているというか、ネチネチとした陰険さが少ない。せっかくの凌辱なら、もっとえげつなく堕としてもいいのでは、と思いました。
『思い出のアルバム』「官能」というよりも、「エッチ」という言葉が似合う作品ですね。TLというよりももう少し甘酸っぱい雰囲気で、若い層にはとても読みやすいのでは、と思います。ただ、官能小説としては、正直物足りない印象が否めまないのが、少し残念でした。
『§ 龍王の巫女姫 §』
大作ですね。格調高い雰囲気ときっちりと書き込まれた濡れ場が読み応えのある、とても力量のある作品だと思います。出来上がった世界観ゆえに、入りこめない人はつらいかもしれませんが、好きな人には「これしかない!」という作品だと思います。著者の方は、いつも、こんな感じの作品を描かれているのかと思ったら、今までに書かれていたのは学園モノだったりの正統的なTLが多いんですね。その意欲的なところを失わず、良質の作品を書き続けてくださいね。
■ 総評 山咲美花先生
皆さま、こんにちは。山咲美花で御座います。
第3回官能小説コンテスト受賞者の皆さま、ノミネートの皆さま、おめでとうございます。
今回も審査に参加させていただき、作品をとても楽しく読ませていただきました。
前回の作品よりさらに読みやすく、ストーリー性も充実していた印象を受けます。また官能小説として新しい形の作品もあり、とても新鮮で斬新な気持ちで審査することができました。
しかし、若干パンチが足りない作品もあり、少々控えめかなとも感じました。
もっとがっつりとガツガツした部分もあってよかったんではないでしょうか。
また、ストーリーがとても良かったのに、官能という部分が少なくもったいないなという作品もありました。
やはり官能小説コンテストですので、脳汁がたんまり出るような作品を今後も楽しみにしております。
曖昧なままに
ストーリーが個人的にとても好みでした。
読みやすくイメージしやすいという点が良かったですし、官能部分も多いのに、それでいてしつこくなかったのも高評価です。屈折した愛が良く表現できていたところもポイントが高いです。
終わり方について賛否両論ではありましたが、わたくしは印象的で良かったと思います。
先生、早く縛って
学園という限られた環境なこともあってか、調教シーンには物足りなさを感じてしまいます。SMというよりは“ごっこ”を取り入れただけの恋愛物語のように見えました。もしかしたら、わたくしの目線がマニアックすぎるのかもしれませんが……。
ストーリー的には、徐々に調教され恥ずかしがりながらも責められるのを期待してる結衣が、とてもかわいらしく表現されていたと思います。そこは萌え要素でした。その反面、先生のキャラが話を追うにしたがって徐々に弱くなっていくように感じられたのは、少し残念に思いました。
陽炎ーカゲロウー
とても短い文章だけれども想像力を掻き立てられる作品だったと思います。
市九郎の人物像が印象的だし、他の登場人物においても一人一人にしっかりとしたキャラがあったせいか、作品のインパクトも抜群でした。ただし官能という部分に関して、さっぱりしすぎているという印象です。
けれども続きが読みたくなる、後を引く作品であったと思い高評価です。
痴漢脳小説 ~秋津高校サッカー部~
この作品は賛否両論でした。わたくしも“痴漢脳”というフレーズに期待感を持ったので、痴漢脳ってなになに? 犯しまくるのかしらっ!? と、大興奮で読み始めたものの、持っていた期待とは違っていたため、少し残念に感じてしまいました。
弱小チームが強いチームになっていくであろう…と先読みが出来てしまったところや、サッカーをよく知らない人にはルール説明などが多くややとっつきにくく、そのへんが残念に感じました。
官能部分はソフトタッチで、脳から汁が出るまでに至らなかったです。でも、これは官能の新しいスタイルではないかと感じました。次回を期待したい作品でもあります。
§ 龍王の巫女姫 §
高評価させて頂きました。人物像がしっかりとしていて小説としてとても面白かったと思います。
媚薬を盛って犯すシーンなんて萌え要素満点で、実は味方というところでさらに”萌え”を駆り立てられました。キャラクターの絵がイメージしやすく、脳内で映画を見ているように読めたところも高く評価しました。
若干ですが文面の長さが気になったので、もう少し短くまとめると良かったのではないでしょうか。
快楽の奴隷
個人的にかなりの高評価をさせて頂きました。
ネットカフェで出会い、そこから徐々に関係が深まって行く展開。また、高梨の心の動きが解りやすく、愛の形が見事に表現できていたと思います。
SM色があるものの、それが恋愛にほんの少し色がついただけのごっこ的な感じだったのがやや残念要素です。
個人的意見ですが出来れば最後まで挿入なしのままで終らせてほしかったですね。
貶女(おとしめ)
官能らしさが良くでていたのではないでしょうか。
さらさらと流れるように読める文章の作り方は個人的には好きです。
どこにでもいそうな女子高生・莉桜が、男たちに陵辱されていくシーンはとても燃えました。
ぐっちゃぐっちゃにドロッドロッにさ・ら・に読む人が思わず身悶えるような、 の う こ う さが表現できていたらさらによかったです。
ストーリーも全体的にバランスが良く、出来の良い作品だと思いました。
思い出のアルバム
よくありそうな純愛物語という感じがしました。
官能小説を読んでいるというより、ほっこりと温かい気持ちで読むことができました。
登場人物が若いので、どうしてもいやらしさがさっぱり気味になってしまうのはいたし方ないのかなと思います。
なので官能描写がそこにもっと加われば、その物足りなさをカバーできて、さらに良い作品になったのではないかと思います。
偽りの身の上〜身代わりの姫君〜
ディズニーを観ているようなストーリー展開もあってか、王子の姿がイメージしやすかったです。
ストーリー展開にはひろがりがあって、その部分はとても楽しく読ませていただきました。けど、後半では中だるみと感じてしまうところが何か所か見受けられて、そこが残念に思いました。
全体的には面白かったのですが、話のテンポが悪くなっている部分がなければもう少し評価が高かったと思います。
■ 総評 松村由貴先生
仕事上、僕は生前の団鬼六氏の仕事先や、御自宅によく出入りしたものだが、先々でニコニコしているのは、男女半々、下手すれば女性の方が多かった印象がある。「暗黒文学」の巨匠などといわれ、SM小説界の文豪の名をほしいままにしていた団鬼六氏のまわりには、いつも、氏の作品のファンが高じてアシスタント的に献身する女性たちがいた。しかも、人となりがとびきり美人の女性が多かった記憶がある。
また以前、あるシンポジウムで、あの代々木忠氏から聞いた話がある。AV黎明期~全盛期にかけて、「けしからん!」ということで、各種団体、特に女性団体から抗議や、それこそ脅しがメーカーに殺到したのだ。それは当時あったかどうか、女性の人権を守るNPOや、わかりやすくPTAなどだったろう。いちいち対応していられないので、あるとき
代々木忠氏は「なにが悪いのか、どこが未成年に悪影響なのか」を指摘してほしいということで、抗議団体の人たちを集めて「試写会」を開いたそうだ。当然、目を三角にした女性が「観客」の大半である。
代々木忠氏は、「観客」を観察する。すると、「観客」の女性が静まり返って唾を飲み込むシーンは、ほぼ、予想通りだったそうだ。それは、代々木忠氏が、「ここを山場にして男の官能を昂めてやろう」と計算したシーンだった。つまり、性的な昂奮ポイント&シーンは男も女も一緒だった、というのだ。なるほど、わかりやすい。「官能」へのヒントだ。
おそらく、「官能小説」とは動物的レベルで、性的反射を煽らなければならないのだ。男女といわず性の嗜好差は枝葉末節。ここぞというところを用意して、男女ともに昂奮させなければならないのだろう、と僕は思った。一言でいえば、それは「劣情」ということにつきる。背徳、タブー、羞恥、ためらい、葛藤、嫌悪、果てる快楽、そうしたものが「劣情」を呼び覚ます。そして、それが読者にとって頁をめくる「悦楽」に変わっていく……。
前置きが長すぎた。まずはこの「劣情」が、最終選考作品には総じて少なかったような気がしてならない。もちろん、最終選考作品、多少の誤字・脱字は目をつぶれるものだったし、文章力も標準以上であり、それぞれが工夫を凝らしたストーリーテリングを確保してくれていた。そこは、読ませてくれた。こんなに書きたい人がいて、既存の出版社にその受け皿、育てるシステムがいまなくなっていることが残念でならなかった。ただ、ここは「官能小説」としての優劣を競う場だということを考えると、物足りなかった。というのが正直な感想であり、嫌われることを覚悟で、僕がそのことをいわなければならない役割を担っているだろう。個人的には「劣情」を煽る部分の構成比は、作品全体の20%前後の印象を読後に持てるくらいには欲しい。もちろん、「官能小説」も「小説」である以上、時代を反映することは求められる。5%や10%で十分な時代なのかもしれない。が、せっかくこんなに素晴らしい、突出した頁ビューをもつ発表の場があるのだ。キャラクターの心の動きと物語の進行がかみあって、なおかつ「劣情」20%に挑戦する人が出てきてくれることを大いに期待したい。これは、電子ならではの短いセンテンスと独特の行間を計算した上でも、必須、なのではないだろうか。
その先に、まったく触れたことのない、「新・官能小説」が生まれる気がしてならない。極北ではあれども、「文藝」である。そして、いまもっとも「読者」がいる世界なのだ。
曖昧なままに
キャラ造形はしっかりしているが、その形成理由が実は陳腐。口淫描写、制服情交描写のあたりは劣情を煽ってくれるし、口淫を貫くヒロインの心理的理由づけには苦労が偲ばれる。が、プロローグ、エピローグは必用か。偶然ならいらないし、必然なら怖さ=「エロ怖」を意識して全体を見直さないとならなかった。タイトルにダブルミーニングを込めたかもしれないが、官能小説としてかなりいい出来にあるので、そこが惜しかった。
先生、早く縛って
今・宇能鴻一郎的、告白モノへの挑戦は素晴らしい。ただ、濡れ場が濡れ場として機能しているだろうか。いきなりの股開きをどう評価したものか。徐々に開脚されていく羞恥などが決め技になればどうだっただろう。現代の女の子といえばいえるのだが…。後半の男の回想部の出来はいいので、もったいない。なぜ、この構成をとったのか、そこも残念。
陽炎ーカゲロウー
歌舞伎、講談仕立てによくできた掌編。ただし、いまのままだとこれは「愛の物語」だ。劣情を伴う官能小説には足りないが、エンターテイメントとしては心憎い物語。この短さの中で、それぞれのキャラがしっかり頭に残る。長編官能小説として、書き直しを期待したいところ。
痴漢脳小説 ~秋津高校サッカー部~
僕が最高得点をつけたふたつのうちのひとつ。ただ、0か100か評価は真っ二つに分かれる作品。まずは、エンターテイメント小説として王道中の王道。構成も上手い。ヒロインふたり、真面目な女の子と不良少女の設定は甘酸っぱい時代を思い返させるのに十分な設定で読んでいて、楽しい。しかも両方処女だ。劣情は自ずと昂まる。ただし、情交描写のしつこさ、回数が単純に少なく、そのバリエーション不足も惜しい。真面目な子がこんなこと、不良少女なのにこんな羞恥、あるいはならではの大胆さが、もっと書き込まれれば、爽やかで、笑いと涙というエッセンスを持った新しい官能小説が誕生していた。
§ 龍王の巫女姫 §
キャラの設定はファンタジーとしてはあり。が、もっと印象づけたい。前半、物語が平板に映るのはそのせいもあり、大きな劣情が煽られない。中国古代モノという設定は、TLでは最近徐々に見かけるもので、野心に溢れ好印象。ただし、後半、キャラの苦悩を増幅する構成の整理と、情交描写での劣情を高めたい。
快楽の奴隷
冒頭、官能小説の王道を感じさせる感度の高かった好作品。僕が最高得点をつけたふたつのうちのひとつ。作中小説の人物に嫉妬する屈折のアイデアは心憎い。徐々に淫らになっていくヒロインの心情変化も自然。濡れ場、淫語選びにもセンスを感じる。ただし、後半、物語に追われて劣情が少なくなってしまう構成が残念。大胆な淫楽の世界へ向かうか、少し前で作品として完結できなかったか。
貶女(おとしめ)
スピード感はある。まさに電子向きというところか。しかし、その分、壮大なプロットに陥ってしまっている。劣情が喚起される暇がない。情交描写も軽くなってしまった。ただ、本来、著者は官能小説読みで、ワザと電子向きに書いた感もある。このスピード感が、トレンドを獲る可能性は否定できないが、もっとネットリと書かれたものを読んでみたい。
思い出のアルバム
何かおきるたびに親友が出てきて、ヒロインの心の闇をほぐすリズム感の出し方は上手い。が、物語が直線的、情交描写もバリエーションが不足気味。オチの想像もついてしまう。男女のすれ違いはもっと葛藤を伴う構成もとれたと思う。そこに劣情が生まれるはずだ。官能小説としてもう一歩。
偽りの身の上〜身代わりの姫君〜
完全TLorBLとして読めてしまう。だとしても、女性が快楽に開花していく過程を、順序だててもう少し書き込むべきではないか。劣情とは少し遠い、すがすがしいファンタジーとなってしまっているところが残念。
■ 総評 内藤みか先生
今回初めてこちらの賞の審査に参加させていただきました。個人的には新しい試みをしている作品を高く評価したつもりです。新しい視点、新しいシチュエーション、オリジナリティー溢れる作品こそ新人賞にふさわしいと考えたからです。あと官能小説の賞なのですから、読者も官能表現を期待しているわけですし、官能表現が多くて濃厚なものに高いポイントをつけました。
ありがちな設定のありがちなお話なら誰にでも書けます。「自分はこういう設定に萌える。でもそういう小説がない。だから自分が書いてみました」というような、今までになかったものを伸び伸び書いた作品にこそ、可能性を感じます。私自身も、今まで誰も書いていなかった「母乳」を小説に取り入れたことが、名前を知っていただくきっかけとなったのです。
まずは自分の作品の愛読者になることです。自分が書いた作品を応募前に読み返し、自分自身も興奮するかどうかチェックしてみましょう。自分らしさを大切にしていただきたいのです。官能シーンを上手に書く練習としては、まずは自分がいつも妄想しているシチュエーションを小説に仕立ててみるところから始めるといいと思います。
曖昧なままに
出会い系で知り合った少し病んでいる女性にハマってしまうという男性は、実は結構いるみたいです。なのでこの作品の設定を、とてもリアルに感じました。さびれたホテルでする退廃的な感じのエッチもとてもいい。ただ、もったいなかったのは、リアルさを生かしきれていないところ。出会い系サイトでの出会いのシーンなどを臨場感たっぷりに書いてみたら、一気に世界観が出来上がったかもしれません。ラストシーンも官能小説賞の応募作だということを意識するともう少し違ったものとなったかもしれません。
先生、早く縛って
私はこの作品に一番高い点をつけました。官能描写が群を抜いて多かったので、これぞ官能小説の受賞作にふさわしい、そう思ったからです。タイトルもリアルにいやらしくて、とてもいいです。ヒロインもいい意味でかなりエッチで、子犬のように先生を慕う姿は、女性読者のみならず、男性読者もきゅんとくると思うのです。惜しくも大賞になれなかった理由は、個性でしょうか。作者のオリジナリティーをもっと出してもいいのでは。あと、先生が優しすぎました。もう少し話を盛り上げるためにも、先生は、最初のうちはもっと冷たくてもよかったかもしれませんね。
陽炎ーカゲロウー
同じタイトルのよく売れた一般小説があるので、このタイトルは勇気があるなとまず思い、中身にとても文章力があり、驚きました。江戸時代の小説は私も「男おいらん」という小説を書いたことがあるので、それっぽい文体を書くのはそれなりの勉強が必要だと知っています。そして醜い女性が抱かれる設定は「私なんて……」とコンプレックスを抱きがちな現代のおとなしい女性達の心の慰めになると思います。ただ、官能量が少なめだったのが、実に惜しいです。
痴漢脳小説 ~秋津高校サッカー部~
男性目線での官能小説です。なので可愛い女の子達と主人公の男の子とのエッチな青春エピソードが散りばめられています。でもその割には友人の男子生徒たちのこともかなり書き込んでいます。なので私はちょっと誤解をしてしまい、この友人の男の子たちもエッチシーンに絡んでくるのかしらと期待してしまったので残念でした。友情を描くだけならば男友達はもっと抑えめにしたほうが、読者の目線はブレなくていいんじゃないでしょうか。
§ 龍王の巫女姫 §
この作品の特筆すべきところは、媚薬を使っている性描写です。しかも結構なページ数を割いて、媚薬によって全身が火照って乱れてしまうヒロインを描き続けたシーンはとても官能的で素晴らしかった。でも残念なのは、タイトル。何が起きる小説なのか、タイトルを見ただけで、想像がついてしまうのです。官能小説の賞なのだから、もうちょっといやらしいタイトルでもいいのではないでしょうか。たとえば「巫女は夜、媚薬に悶える」とかのほうがエッチでしょう?
快楽の奴隷
そつのない作品です。そこそこエッチでそこそこストーリー展開もあります。愉しんで読める官能描写もあります。ではあと何が必要なのでしょう。それは新しさだと思います。目新しさを見せてもらわないことには、今いるプロ作家とどこが違うのか、今後の伸びしろがどのくらいあるのかが、よくわからないのです。新人なのだということを生かして、いまだかつてなかったような設定の官能ストーリーを作る冒険心。これを持っていただきたいです。
貶女(おとしめ)
この作品、私はとても設定が斬新だと感じました。特にエンディング。登場人物ごとにエンディングが分かれる手法はゲーム的で、とても良かった! それにイケメン彼氏ができた女の子に嫉妬して周囲がいやがらせをして堕としていくというのも、心の中の黒い部分をうまく官能と絡ませようとしていて、そのチャレンジ精神がいいですね! でもどうせ堕とすならとことん堕としてほしかった。あとはストーリーをもっと盛ることだと思います。
思い出のアルバム
大好きな先輩。先輩が大好きだという気持ちだけで一直線に突っ走った作品です。これはこれで恋する女性の一途な勢いがあってアリだと私は思うのですが、官能表現がとても少ないのがとても残念。官能小説というより恋愛小説のほうに近い作品だと思います。それと、浮気したヒロインを彼があっさり許してしまったけれど、彼にも葛藤があって当然ですし、そこはもう少しドラマがあったほうがいいと思いました。
偽りの身の上~身代わりの姫君~
美女と野獣的な物語に官能を入れようと試みた点は評価できます。オリジナリティーある擬音を使おうという工夫も見受けられます。しかし、官能表現がとても少ないのが残念です。1章ごとに1官能シーンがあってちょうどいいくらいだと私は思っているのです。また、どんな設定のどんな話なのかということを、最初のほうで読者にわかるように説明する必要はあるでしょう。ラストももうひとエッチ必要じゃないでしょうか。