第3回 官能小説コンテスト 選考会のようす
第3回 最終選考会のようす
桜のつぼみが膨らみかける、3月某日。
夜景を眼下に見渡せるビルの高層階、その一室で「第3回官能小説コンテスト」の最終選考は行われました。
今回の審査員は顔ぶれがちょっと変わって、数々の官能小説を執筆し“ケータイ小説の女王”と評される内藤みか先生。団鬼六氏に師事し、編集の現場から数々の官能小説を世に輩出した松村由貴先生を迎えての選考会となりました。
コンテストが3回目を迎えまたこともあり、応募作品はどれも文章力や表現力はもちろん、ストーリーの構成などでも読んでもらうことを意識した作品が多く、全体のクオリティ向上を感じることができました。
そんな数々の作品の中から、まずはノミネートとなる10作品に絞ります。今回はこの過程で非常に苦しむこととなりました。回数と日を重ねることで、ようやく絞り込んだという経緯がありました。
そんなことから最終選考会ではなおのこと、受賞作品をすぐに決めることができようものがなく、賞の選出は長丁場となりました。そして第3回目のコンテストは、ひとつの結論を出しました。それが今回は“大賞なし”です。
先に結論を言いますと、これは良作がなかったことではなく良作が多いからこそ、という気持ちが込められています。
どういうことかといいますと、全体的なクオリティは上がったのですが、目標や着地点を見据えたように型にはまった作品が多くあり、飛び抜けた作品が見当たらなかったのです。
やはりコンテストというのは、どうしてもある程度の出来の作品が群となって集まります。その群が大きく厚くなれば、そこから抜きんでてくることは難しくなります。が、群を抜くもので誰しもを「あっ!」と言わせてこそが、賞にふさわしい作品と言えます。回数を経験したみなさんには、是非ともここで群から飛び出るようになってほしいのです。
「自分が書きたいものを欲望のままに書く」
この情熱が、「あっ!」と言わせる作品作りの鍵なのかもしれません。
自信があったのに賞がとれなかった、ノミネートに入らなかった……という作品がダメだったかと言えば、そうではありません。どうか肩を落とすよりも、群から抜けるためのアイデアや文章の工夫を考える時間をとってみてください。そして、次回は審査員たちを「あっ!」と言わせてみてください。
物語を考え、それを継続して執筆し、最後まで書き上げることは、時間と労力を要する大変な作業だと思います。一概になかなかできることではないものです。それを成し遂げることができるのというは、本当に素晴らしいことで賞賛に値します。
コンテストに参加された作者様、お疲れ様でした。
また次回コンテストへのご応募を心よりお待ちしています。