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隷属の首輪
第2章 終末の魔女ニブルムヘイムの復讐。
 最初に感じたのは痛みでした。
 手足の先が擦り切れるような、激痛が私の身体を走り抜けていきます。

「くぅ……ふっ……ふぅ……ぁあ……んっ……あぁ……」

 その痛みで私は目覚め、短く声を漏らしながら、ゆっくりとまぶたを開きます。
 いつの間にか、寝てしまったみたいね。
 いくら精神的に疲れているとは言っても、こんな状況で眠ってしまう自分が!? なんだか情けないですわ。

「あぐぅ……ふっ……ふぅ……」

 痛みに必死に耐えながら、視線だけを動かす。

 やっぱり逃げるのは無理みたいですね。

 右足首に鎖分銅《くさりふんどう》を繋げられ、手首と首に輪《リング》が嵌めらていて、そこから伸びた鎖が壁に固定されてしまっているわ。

 それだけでなく肘と膝、足首と腰にも金属の枷が嵌めてあって。

 さらにそれらはそのまま壁に、突き刺さっているのよ。

 自由に動かせるのは、肘と首だけという状態で!? 万歳《ばんざい》の姿勢を取らされているのよ。

 剣を振るって戦場を駆ける女騎士の清々しい凛々しさとは、まったく正反対の屈辱的で惨めな姿ですわ。

 こんなはしたない格好、絶対に国民にはみせられませんわ。

「くっ……」

 しかもただの拘束具ではありませんみたいですし、おそらく何かしらの魔法がかかっていますわね、コレ。少々厄介ですわ。
 愛剣も奪われ、母上も人質に取られたままですし。私がここに連れてこられて、イッタイどれくらいの時間が経ったんのかしら?
 ずっとこの姿勢のまま動けないせいで、手も足も物凄く痛いですわ。
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