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第9章 エピローグ

　ーーそれから二週間後。

「ああああああ！　柚留のポスター貼り出されてるうううっ！」

　その日は二限から。エントランスを通った瞬間とある掲示物が目についた。この前のワンピースを着てスカートをぎゅっと握りしめながら、カメラ目線をする柚留の姿が写っているポスターだ。

「あら本当！　かっわいい！」

　左隣にいた詩織もそのポスターを見るなり、声を弾ませてそう褒める。
　あたしたちの反応に、右隣を歩いていた柚留がぎょっとした顔でポスターに気付き、顔を覆った。

「なんで、こんな目立つとこに……。部室の前とか人の通りが少ない廊下に貼ってって、お願いしたのに……」
「……部室の前はともかく、人の通りが少ないとこに貼ったんじゃ、あんまり宣伝効果はないと思うけど……」

　詩織の的確な突っ込みに、あたしはうんうんと頷いてみせた。
　荒巻先輩、その連れの日野先輩、柚留、柚留の友達の谷内くん。この四人でポスターの撮影を終えたのが、今から十日ほど前だ。本気で恥ずかしかったのか、あたしは呼んでもらえなかったんだけど。
　それがようやく今日貼り出されたらしい。