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第12章 隠された真実

幼い子供には少し難しいのか、彼は顔をしかめながらそれでも理解しようと私をじっと見つめる



「本当に不幸なのはね、生きてることそのものを不幸だと思い込んでしまうこと。

この世に生を受けるのはそれだけで素晴らしいことなのよ」

「でも僕は望まれては……」

「私、トーチャーに会えて嬉しいわ。それだけじゃだめ？」



その言葉に彼は真っ赤に頬を染め、恥ずかしそうに顔を背ける



「それからね、貴方のお母さんは咎人なんかじゃないわ」



えっ、と振り向いた彼の顔を見て、一瞬遅れてしまったと思った

これは、言うべきではなかった



「どういう意味！？ 何を知ってるの！？」

「あ、えっと……」



目が泳いでしまう

それでも真っ直ぐに見てくる彼に誤魔化せはしないと、溜め息をついて真実を語り始めた

彼の母親に罪はなく、そう仕立てあげられたのだと。



「許してなんて私から言うことではないけれど……」



それでも夫を許して欲しい、と私は言った



「勝手なことなのは……」

「赦さないよ」



彼は震える声でそう言った



「でももうどうしようもないよね。僕はその罪を背負って生まれたんだから、そうやって生きてくしかない。

それだけが僕の存在意義だから」