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1000文字で綴る男と女の物語
第7章 『特別捜査官・北条美樹』
「あら、やっとお目覚め?」
北条美樹はおぼろげな意識の中で、その声の主を見た。
長い金髪の女だ。
鼻が高く日本人離れしている。
色白の顔に、真っ赤な口紅が映えた。
白いブラウスの胸が、はち切れそうだった。
歳は三十代半ばだろうか。
赤いマニキュアの長い爪が、美樹が素肌に着ている黒皮のライダースーツの隆起した胸の部分を、ゆっくりとなぞる。
美樹は体を動かそうとした。
「ううっ」
首筋に痛みが走る。
スタンガンを押し付けられた記憶がよみがえった。
頭を持ち上げる。
自分の置かれた状況が見えた。
高さのあるテーブル状の上に仰向けになっていた。
両手両足首がロープで縛られている。
美樹は、傍らの女の顔をにらみつけた。
「お前が、西嶋クリステルか?」
「いい体してるのね?」
女は質問に答えず、薄ら笑いを浮かべ、こちらを見下ろしている。
指は美樹のへその辺りを撫で回している。
美樹は無表情で言った。
「無駄だ……私は、何もしゃべらない……」
天井を真っすぐ見上げた。
高さは5メートルはある。
打ちっぱなしのコンクリートに、むき出しの配線が何本も見えた。
建設中の倉庫だ。
朝からここをずっと監視していたのだ。
部下の田代と一緒に……。
「あら、別にしゃべらなくてもいいのよ……この男が話してくれるから」
女の隣りに、男が現れた。
「凄腕の特別麻薬捜査官と言われた北条美樹も、無様だな、ははっ」
「田代! お前!」
美樹は声を荒げた。
さっきまで一緒にここを監視する任務に就いていた田代だ。
そのとき、女の手が美樹の首元のファスナーに触れた。
「だから、あなたは何もしゃべらなくていいの……これはあくまで私の趣味……」
女の口元が吊り上がる。
ファスナーが引き下ろされる。
隆起した胸に押され、胸元が開いていく。
素肌が露出した。
全部下ろされた。
面積の狭い下着が覗く。
女はナイフを手にした。
刃を上向きにし、下着の上の端に滑り込ませる。
いとも簡単に生地が二つに割れる。
黒く縮れた毛並みが露出した。
女がつぶやく。
「北条美樹、30歳、身長180センチ、体重75キロ、0型、かに座、趣味、ロッククライミング……恋人なし……」
女は、美樹の股間から現れたペニスを引きずり出した。
「わおぅ……これは、楽しめそうだわ……」
女が舌舐めずりをした。


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