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〇〇を教えて。。
第5章 ムズカシイけどイイみたい☆
『………それに、
俺だってあんたみたいな説教くさいネクラ嫌いだったし』


『……………えっ………!
そうだったのか』
地味に胸を抉られる。



『うん。
堅い先生的なヤツ大っ嫌い。
あれはダメこれもダメ~
大人しくしなさい~
自分も他人も大切にしなさい~
__って言えるほどマトモなことばっかしてねぇだろ?』



『意外だな………。見抜いてんだな』



『底辺だから見えることもあんの』



『底辺って自覚あったのか』


『知らないけど、
俺らみたいな後ろ盾も経歴もないヤツを底辺っていうんだろ?
順番つけるの好きだよなぁ。
どうでもいいだろ~に』


『……………缶コーヒー、だよ』


カップめんの殻を流しに置く理玖。
『ん?なにがー?』



『ウチの研究所の自販機にはエコ対策で紙パックのジュースしかない。自動リサイクルboxに捨てなきゃならない。
缶じゃないと飲んだ気がしないんだ。
だからあの時外の自販機まで行った』


そして理玖にぶつかりメガネを踏み割られた。



あれが無かったら、
ずっと軽蔑したまま言葉を交わすことも無かっただろう。



『ぶわっはっはっは!!
バカじゃねぇの(笑)
紙でも缶でも飲めりゃOKじゃん』
理玖が腹を抱えて笑う。



宗一郎はポカンとした。

それから立ち上がり、
『笑うな(笑)風味が若干違うんだ』と理玖の背中を再び小突く。
『夜中、危ないことはするなよ………頼むから』


理玖は頷く。
『風呂入ってくる。
宗一郎、500万ありがとう』


宗一郎は研究所に戻ることにした。


バスルームに入って行く理玖を見ながら、
部屋を出た。






(500万ありがとう)
理玖の真面目な声がリフレインした。



江名優月という女子は、
どんな人なのだろう。

早瀬理玖はバカかもしれない。
だが、目も当てられないようなみっともなさがない。

優月という子も、似てるのだろうか。

彼らには底無しの力強さがある。


宗一郎は夜空を見上げた。
ビルの合間に星が2、3光っていた。


____瑠樹………
ふと制服の瑠樹の笑顔が浮かんだ。







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