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ディスタンス
第4章 最初で最後の?別れ話
「俺がそばにいるから、狙われたり、いろいろ危険な目に遭うんだ。離れたほうが、お前は幸せになれるんじゃないか」



俺がそう言うと、瑠生はすでに傷ついた表情になって俺を見つめていた。

「なん…………なんで、そんなこと言うの!?あたしは今更狙われることなんか、大した問題じゃないよ!匠のそばにいたかったから、だからここに来たわ!!もう、あんな思いをして離れさせられて、苦しい思いなんかしたくないの!!匠にはあたしはいらない?必要ないの?ただ、匠に迷惑かけるだけの存在?!それならあたしは身を引くわ!!だけど、忘れないで!!匠だって……あたしなしじゃ生きてなんかいけないんだから……!!!」

瑠生は涙を堪えているように、肩をすぼめてそう言うと、俺はズキン…と胸が痛んだ。瑠生は、涙がどっと溢れて、逃げるようにその場から駆け出した。

部屋に向かったんだろう。

これでいい。

これで…。





いいわけが、ない。





瑠生の言う通り。



瑠生なしで、生きていけるわけなんか、ない。


そんなことは、ニューヨークにいた時に、もう気がついていた。
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