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ディスタンス
第1章 サンセットでキスをして
匠があたしの胸元からあたしを見上げて、顔を近づけてきた。あたしは、その顔が、たまらなく愛しくて、

「た…くみ。キスして」

とねだるように言うと、匠はそれに応えるようにあたしの唇を塞いだ。


20年も一緒にいたのに、エッチはおろか、キスもしてなかったなんて、逆に、不思議だね。


本当は、心の何処かで、願っていたのかもしれない。



あなたに、抱かれたいって。


ふと、唇を重ねながらゆっくり目を開けると、匠も目を開けてあたしを見つめながらキスしていた。

ドキッとして、思わず、

「な、なんで、目を開けてるの?」

で尋ねてみた。すると、匠は優しく微笑んで、

「お前を、見ていたいからだよ」

と甘い声で囁いて、また唇を重ねた。
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