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山田雪江のフロント日記
第11章 早く決めなよぉ



まずさ、入ってくるところから時間がかかったわけよ。
入るってもちろんホテルの中へ、よ。
入り口でモジモジ突っ立ってんのよ。
何分ぐらいいたかしら、10分、20分?もっといたかしら。

若~いコ、高校生?ってくらい若いカップルでさ。
女の子が躊躇ってたみたいでさ、でも男の子は根気よく待ってたわよ。

で、やっと入ってきました、そこからがあーた、長~いのよ!!

部屋の写真がパネルになってて、入りたい部屋のボタンを押すっていう
あれのまえでずーっと!動かないの!

どの部屋にしようか迷うほど空室があったわけじゃないのよ。
それなのにじーっと動かないでさ、
石になっちゃったのかと思うくらいだったわ、あっはっは!

結局ね、45分よ、迷ってたの!

こっちだってさ、やることいっぱいあんのよ!
アメニティ揃えてさ、破れた布団の修復したりさ、忙っそがしいの!
だけどお客がいるわけだからさ、フロントから離れられないし。

やっと入ったと思ったら1時間くらいで出ちゃったの。
まったく、せっかくサービスタイムに入ったんだから
もっとゆっくりしてけばいいのよ。
出たら清掃しなきゃならないじゃない、仕事増えんのよねぇ。



・・・・・・・雪江さんは一気にまくしたて、
えっ!ワインが100円だって!と
ものすごい素早さで呼び出しボタンを押していた・・・




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