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山田雪江のフロント日記
第2章 飲み仲間・雪江さん
「あ、もうなんか聞いたんだ」

「もう大変よ、雪江さん大噴火よ」

ウサぴょんが甲高い笑い声をあげると、ヤマりんも

「ジジイがジジイがって、さっきっからお怒りよ」

両人差し指を頭の上に立て、鬼を表現しているところを見てから
雪江さんの顔を見る。

雪江さんは肩を上下させるくらい全身で笑っているけど
その内容はとても頭に来ることらしい。

「えー!もう一回お願いしますよぉ!」

到着したばかりのビールジョッキを両手で抱え
みんなにカンパイを催促した。
ガチンと音をたてた後、雪江さんは吐き捨てるように言った。

「客のジジイがさぁ、キミはデリしてくんないの?だって!
 60越えのジジイよぉ!もう不愉快だわ~!」

まったくのタイプじゃないジジイだったというのが
よけいに怒りに火をつけたらしい。

「でも連れいるんですよねぇ?連れの前でそんな事言うんですか?」

「だって、昼間来るのなんかみんな不倫だもの、平気なんじゃない?」

「そうなんですか・・」

「ラブホテルは夜と昼とじゃ違うわよ。泊まれるってことは
 フリーってことでしょ?ま、そうじゃないのもいるだろうけど。
 だいたい昼間ラブホにくるってことは時間とか場所とか、ないからでしょ」

なるほどねぇ・・

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