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影に抱かれて
第6章 ケージ・エピネ

部屋は真っ暗で、ランタンの灯りをずっと追っていたリュヌの瞳にはただの闇にしか映らなかった。

緊張し、一気にそれが解けたせいか、身体が鉛のように重い……

修道士が言うようにこのままベッドに入ってしまおうと手探りで進むと……突然、リュヌの手首はギュッと掴まれていた。

「こっちだよ、リュヌ」

「……っ!!」

――心臓がドキリと音を立てた。

誰もいないと思っていた暗闇で、突然手首を掴まれたのだから驚くのは当然だ。しかしそれ以上にリュヌを驚かせたのは、まるでジュールがそこにいるかのような錯覚に陥ったからだ。

フフフ……という忍び笑いとともに手は離れ、シュッとマッチを擦る音がする。

そして部屋がぼんやり明るくなると、灯りを隠すように布を被せたランタンを持つ一人の少年の姿が浮かび上がった。

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