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第42章 過ちの応酬

ご主人様の声を聞いて我に還る。

ワタシは命令を一つも守れていなかった。

ひたすら謝罪したけど、ご主人様は何故か合格だとおっしゃられた。

ご主人様にたぶんコートを着せられて、電車を降りて駅を出る。

ご主人様は電車を降りてから、何もおっしゃらない。

むしろ叱って下さったほうがいいのに…

耳は聞こえ、喋れるようになったけど、相変わらず見えないワタシは、ご主人様に手を引かれて歩く。

歩く度に、太ももを男たちのものが伝い、ワタシのしてしまったことを突き付ける。

でも、黙ってご主人様に着いていくしかなかった。


闇の中でワタシは先程までの狂乱を思い返す。

いつから、ご主人様に捨てられたと思ったのか、
どうして、快楽に流されてしまったのか…

答えは見つからず、ご主人様の沈黙が、余計にワタシを責め立てた。