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*。:゚+ 小鳥遊 医局長の恋+゚*。:゚
第13章 通い妻
ーーー仕事復帰初日。
冬は師長へ謝罪をした。
「良いのよ…気にしなくて。あなたが有給休暇を取ってくれないと上が煩いから丁度良かったわ。」
師長は笑い特に深く詮索もしなかった事が冬にとってはありがたかった。
…まだ肌寒くて良かった。
長袖のセーターを着ていないと、痣が見えてしまう。青紫と黄色に変色し始めた皮膚は、まだ鈍い痛みを放っていた。小鳥遊とは距離を置こうと考えていた。小鳥遊は冬を避けているような気がしたが、それで良いと冬は思った。いつものように、変わらない日勤の始まりに、小鳥遊はPCモニターに向かい、指示票を書いていた。
「月性さぁん。悪いけどそこの5㏄のシリンジ取ってくれるー?」
…はーい。
冬は返事をして、背伸びをしながら棚の上にあった注射器の箱を取ろうとした。
「月性さんより私の方が背が高いんで…」
笑った後輩が、ちらりと冬を見た。
「ちょっと!その手どうしたんですか?」
大きな声で言い、驚いた視線の先を辿ると、手首の痣が露わになっていた。
「あ…うん…ちょっと。」
冬は笑ってセーターの袖を引っ張り隠した。
「彼氏と緊縛プレイとかしてたりして。」
男性看護師が笑った。
「ちょっとそれってセクハラじゃない?」
後輩が男性看護師を睨みながらすかさず返した。
「そんなプレイが出来る相手がいれば良いんだけど。残念でした〜。ただ手をチェストに挟んじゃったのよ。」
冬は笑いながらシリンジを後輩から受け取るとナースステーションを出て、病室へと向かった。その後ろ姿を小鳥遊はじっと見つめていた。
冬は昼休憩に入った。
「あれ?月性さんどこに行くんですか?」
後輩が聞いた。
「お天気良いから屋上でお弁当食べて来る。」
冬はバッグから弁当を出した。
「まだこんなに寒いのに?風邪ひいちゃいますよ?」
後輩が笑った。
…息が詰まりそう。
冬はお弁当を持って屋上へとあがった。
…誰も居ない…か。当たり前よね。
風はまだ冷たさを含んでいたが、日差しは屋上を隅々まで照らし、春の訪れを告げていた。
冬は師長へ謝罪をした。
「良いのよ…気にしなくて。あなたが有給休暇を取ってくれないと上が煩いから丁度良かったわ。」
師長は笑い特に深く詮索もしなかった事が冬にとってはありがたかった。
…まだ肌寒くて良かった。
長袖のセーターを着ていないと、痣が見えてしまう。青紫と黄色に変色し始めた皮膚は、まだ鈍い痛みを放っていた。小鳥遊とは距離を置こうと考えていた。小鳥遊は冬を避けているような気がしたが、それで良いと冬は思った。いつものように、変わらない日勤の始まりに、小鳥遊はPCモニターに向かい、指示票を書いていた。
「月性さぁん。悪いけどそこの5㏄のシリンジ取ってくれるー?」
…はーい。
冬は返事をして、背伸びをしながら棚の上にあった注射器の箱を取ろうとした。
「月性さんより私の方が背が高いんで…」
笑った後輩が、ちらりと冬を見た。
「ちょっと!その手どうしたんですか?」
大きな声で言い、驚いた視線の先を辿ると、手首の痣が露わになっていた。
「あ…うん…ちょっと。」
冬は笑ってセーターの袖を引っ張り隠した。
「彼氏と緊縛プレイとかしてたりして。」
男性看護師が笑った。
「ちょっとそれってセクハラじゃない?」
後輩が男性看護師を睨みながらすかさず返した。
「そんなプレイが出来る相手がいれば良いんだけど。残念でした〜。ただ手をチェストに挟んじゃったのよ。」
冬は笑いながらシリンジを後輩から受け取るとナースステーションを出て、病室へと向かった。その後ろ姿を小鳥遊はじっと見つめていた。
冬は昼休憩に入った。
「あれ?月性さんどこに行くんですか?」
後輩が聞いた。
「お天気良いから屋上でお弁当食べて来る。」
冬はバッグから弁当を出した。
「まだこんなに寒いのに?風邪ひいちゃいますよ?」
後輩が笑った。
…息が詰まりそう。
冬はお弁当を持って屋上へとあがった。
…誰も居ない…か。当たり前よね。
風はまだ冷たさを含んでいたが、日差しは屋上を隅々まで照らし、春の訪れを告げていた。