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華宮夜姫~かぐやひめ~
第2章 出会い~母の秘密~
日本にあるとある町…
初夏の近づく6月の頃… 一人の少女が、目の前に広がっている風景に呆然と立ち尽くしていた。
少女の名前は、神田華蓮。
16歳になる高校一年生である。
今年の春から高校生活を始めたばかりだった…。新しい学校…。
新しい友達…。
明るさと楽しさに胸を躍らせて入学式を終えたのは、つい二ヶ月ほど前のことだった。
医師をしている父親・神田尚隆と看護士をしている母親・神田美鈴。
そして、一人娘の華蓮を入れて、どこにでもいる普通の三人家族だった。勤勉で穏やかな性格の父、明るく優しい性格の母に囲まれて、ささやかでも当たり前の幸せが三人家族を包んでいた。

そんな普通が壊れたのは突然のことだった。
病院での夜勤の勤務が明けた朝、帰宅の途に着いた尚隆が事故に遭って急死してしまったのだ。
朝はいつものように高校生活を送っていた華蓮は、母からの涙ながらの連絡に耳を疑って、すぐさま帰宅してきたのだった。
―ポクポク―ポクポク― 線香の香りが漂う中で、華蓮はぼんやりと立ち尽くしていた。
((うそ…うそ…うそ…))
立ち尽くして思考が止まってしまったような華蓮の脳裏では、同じ言葉が繰り返し響いていた。
((嘘だ。優しかった父が死んだなんて…。今日は夜勤だからと、昨日の朝食で普通に話をしたんだから…))
「華蓮…。大丈夫…。私もいるからね…」
華蓮を抱き締めながら、美鈴は諭すように呟いた。
「わぁぁぁ…!!」
美鈴からの言葉に安心したのか、華蓮は声を上げて泣き崩れた。

急死した父・尚隆の葬儀が終わって、がらんとした家の中で…
華蓮はショックと疲労で無気力な日々を過ごしていた。
「お父さん…。お父さん…」
遺影を前にして、華蓮は何度も呟きながらその場に座り込んでいた。
そんな娘の様子を見つめていた美鈴は…
((尚隆さん…。どうしてこんなに早く…。尚隆さん…。どうしたら…))
たった一人残ってしまった幼さの残る家族の姿を見つめながら、急にぱっと消えてしまった大切な男性(ひと)のことを想った…。
――――――――――― 隆明の急死から1ヶ月あまりが過ぎた…
華蓮も美鈴も、何とか生活のリズムを取り戻そうとしていた。
「華蓮?そろそろ出発しないと遅刻しちゃうわよ?」
朝食を済ませてどことなくぼんやりしていた娘に、壁掛け時計をちらりと見て時間を確認した美鈴が促してきた。
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