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第7章 惚れない理由が無い

“ なにも、全部が全部新しいものがいいって訳じゃない ”

“ 大切なのは、自分にとっての価値観は何かってこと ”



私は、陽向やお兄ちゃんみたいに頭がいいわけじゃないし
深く考えて何かを見出せるような人間でもないから


“ そうすれば、自然と見えてくるよ ”


……その時が、いつになるかは分からないけど


「陽向が言った通り
思うがまま爆走した方が、何か見つかるかもしれないし♡」

「……ちったぁ限度ってものも考えろよ？」

「あはは、結局どっちなのよ」



本当はこのままもっと話したい。
朝だけじゃなくて、昼も夜も逢いたい。

海外に行ってからの話もそうだし、今の状況も聞きたい。


……だけど、不思議だな。

陽向の顔を見れただけで
話す声を聞けただけで


私はこんなにも明るく、元気になれる。



「暑い中大変だけど、お仕事頑張って」

「………！」

「またコーヒー飲みたくなったら、いつでも来てね」



── あの頃のように、自分を好きになれる気がする。



「行ってらっしゃい！」