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第3章 再会トラップ

「この前もさ～、どこだっけあのイタリアン」

「銀座。あのオードブル全部絶品だったわ」

「そうそう、あれだけ飲んだのに7000円ってコスパ良過ぎでしょ。
来月のビアガーデンの次、もう1回リピートしない？」

「するする、決定！」


……7000円って
今の私の時給にしたら、フルで働いてやっと１日分なんですけど。

こりゃあれだな、ランチ1000円以上を平気で出せる丸の内OLタイプの種族。

大学時代は、みんなで安い居酒屋行って
お金無い～なんていいながら、とにかく喋るだけでも楽しかったのに



……世の中ってほんと世知辛いわ。



「胡桃もおいでよ、予約しとくから…」

「無理」

「……へ？」

「だから、無理」


キャッキャとはしゃぐ彼女達を、一瞬で黙らせるほどの
真正面から拒否する低い声が出た。


……本当は、今日だって誘いたくなかった。
会いたくなかった。

友情を大事にしてないわけじゃないけど、仕方ないんだよ。



だって、私は ───