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第11章 笑顔でいてほしいから

心の中を少しでも知りたくて、大真面目で言ったのに
陽向はげんなりした表情で、私から体を離した。


「……ったく。
とっくに終わってるっつーの。なにもかも」

「………！」

「予期せず再会なんてしちまったから、少し過去がフラッシュバックしただけだ。
……今更、想うも何もねぇんだよ」


静かにそう言って、窓際のソファへ向かって
カバンから煙草を取り出したその顔は、いつもの陽向に戻ってる。


……だけど



“ なれねぇよ、一生 ”

“ いくつになっても納得させる答えが見出せない
……結局、俺はこんなだ ”



「……ねぇ、ちゃんと答えを聞いたらどうかな」

「………！」

「彩さんに」


ベッドの上に座って、私は彼を真っ直ぐ見つめた。


「陽向の想い、伝えたら駄目かな？」