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第12章 restart

時刻は夜の８時10分前。
オープンテラスのスペインバル。
キャンドルが灯る無垢材のテーブル。

５年ぶりの再会を果たしたあの日から……１ヶ月と経っていない今宵


「……彰、てめぇ」


前回と全く同じシチュエーションで
真向かいに座った陽向が、ギロリと俺を睨みつけた。

いや、違うか。全く同じじゃないな。


「俺はお前を呼んでない…」
「陽向、お前スーツは？」
「あ！？」
「今日金曜だぜ？ なんで私服なわけ？」
「んなこたどーだっていいだろ！」
「今日休日ってこと？」
「～～カジュアルフライデーなんだよ！ 何着てもいい日！」


外資ってそーいうのが、いちいち “ ゆるくて ” いいよな。

夏本番の今、この時間になってもまだ気温は高くて
リネン素材のTシャツ１枚の陽向が羨ましい。

なんか髪色も暗めになってるし。
やっぱりなんとなく隼人に似てるし。
こいつ女だけじゃなくて男にもモテる、生粋のイイ男なんだよな～むかつくけど。