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第3章 再会トラップ

「でもさ、胡桃ちゃん。
確か俺、彰から胡桃ちゃんが就職したって前に聞いた気がするんだけど」


私の斜め右前に座るスーツ姿の彼は、既にビール３杯目で
ちょっと酔ってきてるのか、軽いノリで胡桃ちゃんと呼んできた。

ま、全然嫌な気はしないけどね。
イケメンだから。


「君達が大学卒業したのって、３年前だろ？
ちょうどその頃に仲間達で飲んでて、彰が妹の内定が決まったって話して…」

「はい！ 卒業して３年の、若干25歳です！」

「……え？」

「まだピチピチなんですよ♪
ね～胡桃♡」


保母さんやってる子が、私の隣りから上機嫌で会話に割って入ってきた。

……ピチピチって。
そうでもないぞ25歳。

っていうかこの子も相当楽しそうだ。
最初は緊張して大人しかったのに、すでにいつもの素に戻っちゃってる。


「うん、みんな若いよな。
三十路の俺からしたらホント羨ましいよ」


話を遮られたにも拘らず、ニッコリ笑って友達にメニューを渡す彼。

さすがイケメン。
話の聞き方まで上手って素敵だよホント。