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ハツコイ♥アゲイン
第15章 ハツコイ♥アゲイン

夜の8時になろうとするこの時間でも、欧州は昼間のように明るい。
4本の柱で構築された塔の先端に、傾いた太陽光が反射している。

残暑を和らげる風が、心地よく体を通り抜けていくけど

いや、通り抜けるっつーか……


……マジ、なんだこの感覚。


真ん中に空洞がある、的な。
ぽっかり抜け落ちたような。

日本を出た直後から
過去味わったことのねぇ感情が渦巻いている。


2ヶ月ぶりの本部出勤は、明後日からなわけで
さっさと家に戻って休めばいいものの

フライト中から続く、虚しさのような空虚感が拭えなくて
なんとなくこの場所に来ちまって……

・・・っておい。


「……空虚感って」


そのままじゃねぇか。
結局自分で答えちまってるし。


アホなふりして
意味不明な感覚にしておきたかったのに



“ 演じられないよ ”

“ 演技じゃないでしょう
……本当のお別れなんだもの ”



最後、見送りに来た空港

唇を噛んで涙目だった
……あいつの顔ばかり浮かんできてしまう






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