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ハツコイ♥アゲイン
第4章 DO・ストライク

「短いのに、毛先にふわっと動きがあるのは
ハーフカールのパーマをかけているからでしょ」

「………」

「今はビジネスモードだから、控えめだろうけど
そのベースは自由自在にアレンジできる、絶妙なヘアスタイルだよ」

「………」


前置きもなくペラペラと喋る私を見て、眉を寄せる陽向。

……グラスから日本酒が溢れて、四角い升の中にまで溜まってて
これをどうやって飲めばいいか分からないから、私もじっと彼を見つめる。


「……なにお前、美容師なの」

「違いますけど」

「褒め言葉と捉えていいわけ?」

「担当した人を褒めたの。
スペインにも良い腕前のヘアスタイリストさんがいるのね」

「………」


……本当は
その頭の形と小顔が全てだと言いたいけど

捻くれる態度と言葉でしか冷静を保てないから、仕方ない。


「……あっそ。
じゃ、あっちに戻ったら担当者に伝えとく」


無表情でそう答えた陽向が、升の中からグラスを持ち上げた。

……ふーん。
普通にそうやって飲む形でいいんだ……


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