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ドラスティックな恋をして
第2章 家族の巣立ち
悟志は書斎に行き、なにかを手にしてリビングに戻ってきた。
依子の目の前に差し出されたのはパンフレット。
シャレたログハウスの写真が前面に押し出されていた。

「なによ?これ」

手に取って、パラパラとめくる。
何度も何度も、同じ動きを繰り返す。
手に力が入っていたのか、しだいに紙にはシワがよりだした。

「田舎暮らし物件でね、菜園付きの家なんだ。
 小さいけどキミと2人で生活するにはこれくらいでいいだろうと思ってさ」

「え?なに、私も行くの?」

依子はパンフレットをテーブルに放りだし、
瞬きを忘れた目で悟志を見つめた。

勝手に早期退職して、その上なんにも聞かされていないのに田舎暮らしだなんて、
簡単に受け入れられるわけがない。
その前に、怒りをぶつけたって許されるだろう、この状況は。

依子はテーブル越しに身を乗り出した。

「田舎暮らしだなんて、私なんにも聞いてないのよ。誰が行くって言った?
 だいたい、どこ行くのよ?これどこ?」

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