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ドラスティックな恋をして
第12章 ドラスティックな・・終わり方

相変わらず、いろんな楽器の試し弾きの音があちらこちらから流れてくる。

何十年ぶりかに訪れたあの日から、早くも半年の月日が流れた。
空気が秋の深さを物語り、着ている服が少し重さを増した。


今日ここへ来たのは・・
もう大丈夫だ、と自分の気持ちを確認するためだ。

新宿のホテルを最後に昌宏との関係を終わらせた。
彼を嫌いにならないまま終わらせた恋は、なかなか心の中から出ていかなかった。
想い出としてとっておきたい反面、
彼への愛を忘れてしまおうと夫の元でしばらく生活することにした。

次第に、昌宏に対する想いは薄れてきたが、
心のどこかでまだ、再び逢えたら、そんな気持ちも残っていた。

電話で昌宏に終わりを告げた時、彼は晴れ晴れとした声音で言った。

もしもどこかで偶然出会ったら、その時は友達として声をかけるよ、と。

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