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後輩くんの挑戦状 ~僕に惚れてもらいます~
第7章 休日の小悪魔


「買うのは僕なので安心してください」


なんで後輩の君にお金を払わせなきゃいけないのよ。

なんで靴なのよ。

なんで…私の好きなブランド知ってるのよ。


「よく職場で、ここの靴を履いていらっしゃいますよね?」


私の心の突っ込みに答える彼は、いわゆる悪い顔で笑っている。

女の私物のブランドを見抜いているという怖さはさすがに自覚してるみたい。


「君が買うって…っ…なんの冗談?いらないから離しなさいよ…!!」

「いいから来て下さい。そこにどうぞ」


怖さにひきつる顔をどうにか堪えて、私は店員に聞こえない小声で葉川くんに抗議する。

それでも彼は言うことを聞かない。

構わず私の手を引いて、店内に置かれたキュービックタイプのソファーに私を座らせた。


「先輩、失礼します」

「ちょっと…!」


座った私の前に素早く腰をおろした葉川くん。

といっても同じようにソファーに腰かけたわけじゃなくて、彼は床に片膝をついてしゃがんだのだ。

ちょうど…主人の前に跪く( ヒザマズク )使用人のように…。


「…っ」


そして私の靴に触れた。

童話の中のシンデレラにガラスの靴を履かせた王子のように──。



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