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後輩くんの挑戦状 ~僕に惚れてもらいます~
第9章 詫びのしるし

解明したところで何が変わるのかって話ではあるけれど。

上手い対処法のひとつでも得られれば…まだ、この関係が良くなる兆しが見えてくるかもしれない。


ところで口を開くなと言われた葉川くんは、素直に隣で静かにしている。

鞄からメガネケースを取り出して、クリーナーでメガネを拭いていた。

そして綺麗になったのか、黒フレームのそれを再び顔に戻す──。

もっとも私は運転しているから、横目でうっすらとしか彼が見えていないけれど。


“ 黙られたら…それはそれで不気味なのよね ”


こちらから黙らせた手前、車内は気まずい沈黙に包まれていた。

だからって私は話しかけたりなんかしない。

代わりにラジオを流した。

ラジオの中では、いま流行りの芸人二人組がとにかくハイテンションでトークを展開している。



- 今日のお題はぁ、夫や彼氏にされてショックだったことで~す!


- よーし全国の女の子たち!? ここで日ごろの不満をぶっちゃけちゃってね~


- お、さっそく届いたよ。一通目はーーっ


- 十八歳の女性からですねぇー。『 初デートで待ち合わせ場所に行ったら、会うなり服装にダメ出しされて泣いちゃいそうに───




...イラっ



──プツ ン




今日の私はいつにも増して気が短いらしい。

ラジオをオンにしてわずか六秒

音量のつまみを最小まで回しきっていた。



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