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後輩くんの挑戦状 ~僕に惚れてもらいます~
第9章 詫びのしるし

「?」

すると、後部座席に置いている私の鞄からバイブレーションが聞こえた。

普段なら気が付かないのに今は静かだから運転席まで届いた。

ハンドルを握っているので取れない私の代わりに、すかさず葉川くんが鞄を引き寄せて中からスマホを出した。


「着信です」

「誰?」


彼に聞いたところ、それはもうすぐ打ち合わせの予定である例の施主からだそうだ。


「ごめん、代わりに出てちょうだい」

「わかりました」


運転中は通話禁止。

といって無視はできないので葉川くんに出てもらう。




「──…先輩、〇〇さんが今日の時間を勘違いされていたそうで……打ち合わせに間に合わないと」

「取りやめということ?」

「今はご不在なようです。ただ11時からなら可能なので少し待ってもらえないかと。どうしますか?」

「11時ね」


用件は理解した。

約束していた打ち合わせの時間に、施主の都合がつかなくなったらしい。

でもまぁ、11時なら…こちらも対応できる。

了解しましたという旨( ムネ )を葉川くんに伝えてもらった。



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