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後輩くんの挑戦状 ~僕に惚れてもらいます~
第18章 独占欲


「今ので僕も…──けっこう、キました」


いつもならここでネクタイを弛めているのだろう。

仕事着でない今日の葉川くんは着ていたTシャツを両手でまくりあげ、ソファーの足元に脱ぎ捨てた。

「ゴムはありますか?」

意外な質問。葉川くんならいつでも持ち歩いているものと思っていたのに。

「普段は持ち歩いているんですが」

意外さを自覚しているらしい葉川くんは、自分からそう付け加えた。


「…っ…ハァ、ハァ…、…──持っていなかったら…挿れない…の…?」

「──…そうなりますね。大切なので」

「……っ」


何が、大切なの?

それをわざわざ言葉にしてと願うほど、メンヘラな質( タチ )を持ち合わせた私ではない。

私はふぅ…と目を閉じて、小さく笑みを溢してからゆっくりと答えた。


「あそ こ──…ベッドの横の引き出しの中よ…」

「…あるんですか」

「…っ…君が聞いたんじゃない」


私の言葉を聞いてベッドの横へと歩いた葉川くんは、開けますねと一声かけた後サイドテーブルの引き出しを引いた。

奥のほうにゴムが何個か残っている筈だ。

けれど少しの間──葉川くんからの言葉はなかった。

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