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後輩くんの挑戦状 ~僕に惚れてもらいます~
第4章 誘惑のドライブ


「何に笑っているの」

「笑うというより見とれていました。先輩に」

「……」


同じやり取り、昨日もしたわね。

葉川くんがこの空気をかもし出そうものなら、私は即座に会話を終える。

そして自分の仕事に戻る。

たった一週間しか経ってないのに早くもここに暗黙のルールが設立されてしまった。


…なのに


“ 今日は自分の仕事がない… ”


今日にかぎっては逃げ場がない。探せば何かしらする事はあろうが、作業に追われているわけではない。


仕方ないわね。


「…君は法規が苦手なの?」

私の忍耐が許す限り、話を続けよう。


「うーん。暗記が苦手なわけではないんですが…あまり覚えていて楽しい分野でもないので」

「そうだと思うわ」

「何とかなりませんか?」

「ならないわ」

「残念、です……フっ」

「( また笑ったわね…!? )……っ…なら気分転換もかねて外を歩いてみたらどうかしら。斜線制限のために上階をセットバックしてるアパートとか、実際に目で見ていたら楽しくなるかもね」

「……、それは」

「……」

「僕と街歩きデートをしてくれるという意味ですか?」

「……」


プチ...


ダメね限界がきたわ。


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