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後輩くんの挑戦状 ~僕に惚れてもらいます~
第20章 貴女が涙を流すなら

以前は、どんなに葉川くんが甘いセリフで迫ってきたとしても動じなかったのに。こんな事でいちいち動揺してたら身が持たないわね。

まぎらわすように私はペラペラと喋り続けた。


「先輩として私が出すのが普通でしょう? そこに遠慮なんていらないの。君に後輩ができてから同じようにしてあげればいいことで」

「そういうわけにいきませんよ」

「どうしてよ」

「後輩としてなら僕も素直に引き下がれますが…」

「……っ」


葉川くんの言葉が途切れて

私は後ろから手を掴まれる。


「──…恋人としては、やはり男の見栄( ミエ )を張りたいですから」


階段の途中で引き留められた私は、二段下に立つ彼を見下ろして止まった。





「恋人……」


「はい」


「…今さら聞いてみるけど、私たちはやっぱり付き合っているの?」


「本当に今さらですね」



私の問いに対して、葉川くんは不服そうに苦笑い。



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