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第6章 人妻

エミリーさんに微笑みながらそう言うと、さっきまでピシッとしていた顔がみるみるうちに赤くなり、

「奥様の…おはからいです…」

と、消え入りそうな声で恥ずかしげにうつむきながら教えてくれた。

ナニコレ。
可愛すぎるんですけど。

「…ではシェン様、お食事の時には奥様にお礼をしなければいけませんね。エミリーさんありがとうございました。すみませんが私は食事の時間まで少しお部屋で休ませて頂きますね。」

と言うと、リリィはさっさと部屋へ入ってしまった。
いや、何かを感じ取ってしまったのかもしれないですね。
では、状況に甘んじて。

「エミリーさん、少しお時間いただけますか？
今日お渡ししたタブレットの件でお話ししたいのですが…」

「あ、えっと、少しなら大丈夫です。」

「良かった。立ち話もなんですから私の部屋でお願いします。」

「はい。失礼致します。」

私が部屋へと招き入れると、すんなりと入ってきてしまったエミリーさん。

優しい狼になれるように努力しますね…。
まぁ、今回はお味見だけですが。

エミリーさんにベッドに掛けてもらい、自分は向かい側にイスを出して座った。