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第6章 人妻

部屋に入るとクロードさんが出迎えてくれた。

「シェン君お待たせしてすまないね。
すまないついでに悪いんだけど、一応被災してるものだから質素なものしかないけれど許してもらえるかい？」

「そんなことお気になさらないで下さい。本来なら我々はこのような待遇を受けるべきでは無いのですから。」

「そんなことはない。
今日の治癒魔法は素晴らしかった。これは、怪我や病気が治った民からのお礼だと思って遠慮なく受け止めてくれ。」

「ありがとうございます。では、いただきます。」


質素とはいえ料理はそれなりに手が込んでいて、味だけではなく、彩り豊かで目からも楽しませてくれる。

食事が終わればいよいよクロードさんとゆっくり話せるよう応接間に移動した。


「さてと、とりあえずナターシャには席をはずしてもらったけど良かったかな？」

「はい。女性からはなかなか言い出しずらい話だと思いますので。」

クロードさんがソファに座ったところで本題に入った。

「単刀直入に申し上げますと、ナターシャさんはお子さんが欲しいと思っておられます。
失礼を承知でお聞きしますが、最近の夫婦生活は…」

「ああ…そうだね。地震が起きてからは業務に追われてめっきり…かな。だけどそれまではそれなりにあったんだ。」