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蕩けるようなキスをして
第7章 噂の的
人の目の多い食堂やカフェテリアでお昼を摂る気になれず、昨日から空いてそうな教室を覗いては、そこで留以と食べていた。
今日も小さい講義室を発見し、椅子に座わったところでようやく、張り詰めてた糸が緩んだ。
そんな華夜子の様子を気の毒そうに見つつ、留以は売店で買ったパンの袋を開けた。
「相当疲れてるっぽいね」
「…流石にね」
鞄からお弁当箱を出しつつ、華夜子は呟く。
「でもさ、運良くってか、来週から前期のテスト期間だし、それが終われば夏休みだよ。二カ月も間を置けば、流石に人の噂もなんとか…じゃない?」
パンを頬張りながら、留以は慰めのように言う。
「そう!そうなのよ。それだけが救いだよ、ほんと…ある意味いい時期で助かった」
お弁当箱の蓋を開け、箸を手に、食事を始める。
どれから食べようか-迷いながら、卵焼きを箸で掴もうとした、その時。
その手が、止まる。
-すげー美味い。
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