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蕩けるようなキスをして
第65章 返事
「ほんとに?」
まだほんのちょっぴり疑っているような、陸の口調。
疑いの眼差し。
「…ほんとだよ」
華夜子は近付き過ぎる陸に鼓動を速めながらも、頷く。
その答えを待たずに、陸の唇が触れそうになり、華夜子は慌てて身体を反らす。
「ちょっと!マジ止めてよ、こんなとこで」
「隣りの席、誰も座ってないじゃん」
「でも、その隣りはいるし。前にも座ってるからっ?」
「じゃ、もう一回言ってよ。そしたら信じる。そしたらここではしない」
「…ほんとに?」
今度は、華夜子は訊き返す番だった。
「ほんと」
陸は即答し、笑う。
怪しいなあと思いつつ、他の選択肢はないので、華夜子は小さな声で伝える。
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