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蕩けるようなキスをして
第66章 秘密
先生との、初めての日。
あの日から、私達の秘密は始まった。
最近は思う事も少なくなっていたのに、今日は思い出が次々に蘇る。
「華夜」
名を呼ばれた。
ほんの一瞬。
先生かと思ってしまった。
自分の隣りに立つ、長身の彼を見上げた。
どうしたの-覗き込むように見られる。
すぐ近くまで迫られ、どぎまぎしてしまう。
「な、な、なんでもない…っ」
上擦った声で答えれば、愉快そうに喉を鳴らされる。
「すげーなんでもありそう」
更に触れ合いそうなくらいに、陸が寄る。
また、される-焦りと期待が入り混じり、華夜子は条件反射で両眼を閉じかけるが、陸は何する事もなく彼女から顔を離した。
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