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第14章 受信

中庭にずっといて、汗ばんでいたはずなのに、鳥肌が立つ。
決して、寒い訳じゃないのに。
寒いんじゃない、嫌悪してる－その事実に、突き当たる。
嫌がっている？
この俺が？
誘われれば、誰とでも寝る、この俺が？
誘われれば、誰とでも肌を重ねる、この俺が？
たかだか腕にしがみつかれ、その垂れた長い髪が、ほんの僅か、自分に触れただけなのに。
腕を組む隣りの彼女を伺う。
よく言えば、女子大学生の平均的スタイル－全てが。
悪く言えば、個性がない。
どこにでもいるような、服装、化粧、髪型、話し方－…。
ちょっと前までは、そんな事、決して思わなかったのに。
ちょっと前までは、平均な女で十分だったのに。
そんな女と一回やれれば、それだけで十分だったのに。