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蕩けるようなキスをして
第2章 櫻葉陸
ここまでこき下ろしたら、流石にもうちょっかい出そう等(など)とは思わないだろう-そう、考えて、少し言い過ぎなそれも、口にしたのに。
なのに。
往来する学生の奇異な目線もなんのその。
陸は身体を折り曲げ、笑い続けてる。
「ちょっと!ただでさえあなた、既に目立ってるんだから。そろそろ、笑い終わりなさいよ。恥ずかしいじゃないっ」
華夜子の思惑は見事に外れ-それどころか、今、窮地に立たされてるのは、紛れもない、自分。
いつの間にか、彼女の頬は赤く染まってる。
羞恥で、もう、ここにはいたくない。
素知らぬ顔で、彼をここに残し、もう、行ってしまっていい?
本気で、そう、考え始めたその時。
不意に。
左手を取られた。
陸の右手が、華夜子のそれを掴み、握り締めた。
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