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第21章 そういう目

なんでそんな事を思う必要が？
失恋？
華夜子の叫びに、陸は増々、困惑してしまう。
嘘偽りないであろう、その表情に。
真摯な、その眼差しに。
からかいじゃなければ、何？
あとは何？
信じてしまう。
あとは、信じてしまいそうになる。
「…分かって言ってる？」
掠れた声で、問い掛ける。
「ただの知り合いじゃない。友達でもない。先輩でもない－」
そこで一呼吸置き、陸は華夜子を情熱に縁どられた双眸で捕らえた。
「ひとりの女として見てる。俺は、華夜子をいつもそういう目で見てる。それでもどこかに行きたい？俺にそんな風に見られて、それでも一緒にだなんて？」