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蕩けるようなキスをして
第21章 そういう目
勿論、すぐにって訳じゃない-本音は今すぐにでも押し倒したいけれど。
ひとつずつ、少しずつ、段階を踏まないと、また膝蹴りを食らわせられるから。
そこは、慎重にならざるを得ない。
まあ、この俺だって、四六時中馬鹿みたいに、女を抱くことばかり考えてない。
ってか、それ意外の事を考えてる時間のが、遥かに多いに決まってる。
彼女とだって、当然、それ以外の事を沢山したかった。
セックスよりも。
キスよりも。
ずっとずっとしたかったのは、ありきたりで、ただ普通の、事。
大学の中で。
図書館で肩を並べて試験勉強をしたり。
食堂であの美味い卵焼きを食べさせてもらったり。
帰りは待ち合わせて一緒に駅まで歩いて。
たまには電車の時間までお茶したり。
帰宅した後は、寝る時間までラインを何度も送り合って。
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