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第25章 デート

困ったような表情で。
消え入りそうな声音で。
料理を載せたフォークを突き出す華夜子に、陸はまさかと思いつつも、それでも確かめずにはいられなかった。
「…食べていいの？」
「…いいから。だから、早く」
そうこうしてる間（ま）にも、両隣りの視線を滅茶苦茶浴びている。
あなたがもっと、普通のひとだったら。
あなたがもっと、かっこ良くなかったら。
こんなに他人の注目を集めずに済んだのに。
そう、思うけど。
そんなあなたに、私は惹かれてしまった。
そんなあなたを、私は気になり始めてしまってる。
だから。
仕方ない。