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蕩けるようなキスをして
第3章 中庭
午前中の講義が終わり、昼休み。
親友の留以と並び、混雑する食堂でランチをとっていた華夜子の、箸を運ぶ手がストップする。
ただでさえ混み合う昼食時。
歓談する学生達。
最初は気付かなかった。
けれど、なんだか後ろで、ざわめきが増したような気がした。
嫌な予感がして、右に身体を捻り、背後を確認する。
でも、いない。
気のせい?
腑に落ちないものの、再度食事を進めようと前に向き直る。
「そのお弁当、おねーさんの手作り?」
左の耳朶に、届く、声。
情けないけど、身体が震える。
見たくないけど、見ない訳にはいかなかった。
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