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蕩けるようなキスをして
第26章 彼の隣り
そして、ここまで。
いいとも、嫌とも、どちらの答えも怖くて聞かぬまま、彼女をここまで連れて来た。
心の中では、彼女はどう思っているのだろう-ずっと、気にしながら。
ずうっと、気にしながら。
そんな事を色々考えながらいた矢先、いきなり彼女の手に、力が入った。
思わず、情けない事に、狼狽えてしまった。
不安そうな、彼女の、目。
その両眼に、自分を拒否する色は見られなかった-あくまでも、自らの、予測でしかなかったけれど。
そうであって欲しいと願って、勇気を出して、力を籠めてみた。
嫌われてはいない。
嫌がられてもいない。
そうであって欲しいと。
陸が握り返した手を、華夜子もまた握り返す。
このままでいい。
このまま、ずっと、手を、絡めていてもいい?
ふたりは揃ってまるきり同じことを思い、幸せを噛み締めながら、肩を寄せ合った。





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