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蕩けるようなキスをして
第30章 友達以上
「すげー逢いたかった、華夜」
陸は誘うように笑って、華夜子の隣りへ腰を下ろした。
その声。
その匂い。
その気配。
その空気。
彼を認識し、全身が悦んでいる。
たった十日逢えなかっただけなのに。
十日も逢えなかったから。
秘かに熱い吐息を漏らし、目線だけを左隣りに移す。
彼は、こちらを見てなかった。
前方に視線をやり、トレイから箸を手にした。
-困るなら、話し掛けない。
微かに彼女だけに聞こえるそれで、陸は呟いた。
-自分は、滅茶苦茶、話したいけど。
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