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蕩けるようなキスをして
第30章 友達以上
その茶色い双眸に囚われ、ねだられれば、もう嫌だなんて言えない。
「…約束だよ。ほんとに一瞬で食べて」
互いの瞳を絡ませたまま。
華夜子は、乾いた声で、念を押す。
陸は笑って、頷く。
自由を奪われていた手を、解放された。
その言葉通り。
ふざける事もなく。
焦らす事もなく。
彼はそれを口に含んだ。
噛み締め味わい終えた陸は、首を傾げ、彼女の顔を覗き込んだ。
「今日のも、すげー美味いじゃん」
-これが、いまいちの出来?
華夜子の頬に、紅が差す。
「…今度はもっともっと、美味しいのを作るから」
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