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蕩けるようなキスをして
第31章 恋バナ
「髪が長くて、清楚なお嬢様タイプの美女だったって。…華夜子、心当りない?」
からかうような視線を流され、華夜子は覚悟を決める。
溜め息を、ひとつ。
「…美女ではないけど、知ってるよ」
「やっぱ、華夜子だったんだ。そうだと思った。何、やっぱり夏休み前から、付き合ってたの?」
「…付き合ってないし。今だって、友達って言うか」
「…の割に、すげーいちゃつき振りだったって聞いたけど?」
「…いちゃついてなんかないし」
羞恥に顔を赤らめ、華夜子は呟く。
「櫻葉陸に、好きだって言われたの?」
乃愛の直球の問い掛けに、華夜子は一瞬、怯んでしまう。
留以も、固唾を呑んで見守っている。
結局。
訊きたいのは、誰もが、同じ事だ。
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