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蕩けるようなキスをして
第34章 彼の過去
彼女の隣りに、もう一人。
彼女と笑い合いながら、一緒に歩を進めてる。
いつもの友達-ルイさん?思ったけれど、違った。
半分すでに上げてしまっていた左手を、何気なさを装い、引っ込める。
そして再びベンチに座り直し、なんでもない風で、顔を横に逸らす。
やがてふたりは、陸のすぐ側まで歩み寄り、その足を止めた。
彼女はわざとらしいくらいに媚びた声音を、陸の横顔に向けた。
「陸、待った?」
言って、彼の右側、ベンチの空いた部分に座る。
そして自らの腕を、なんの迷いもなく、彼のそれに絡めた。
「…全然待ってねーし」
陸は鬱陶しそうに言い捨て、その腕を大きく振り解き、左側に身体をずらす。
「ひどーい!何よ、ちょっと前まで、抱き合ってた仲じゃんっ」
彼のぞんざいな扱いに腹を立て、乃愛は頬を膨らます。
「馬鹿っ。そんな誤解させるような言い方、するなっつーの!夏休み前の話だろ」
陸は大慌てで乃愛を窘め、目の前に立ち尽くす、もう一人の彼女を見上げる。
彼女と笑い合いながら、一緒に歩を進めてる。
いつもの友達-ルイさん?思ったけれど、違った。
半分すでに上げてしまっていた左手を、何気なさを装い、引っ込める。
そして再びベンチに座り直し、なんでもない風で、顔を横に逸らす。
やがてふたりは、陸のすぐ側まで歩み寄り、その足を止めた。
彼女はわざとらしいくらいに媚びた声音を、陸の横顔に向けた。
「陸、待った?」
言って、彼の右側、ベンチの空いた部分に座る。
そして自らの腕を、なんの迷いもなく、彼のそれに絡めた。
「…全然待ってねーし」
陸は鬱陶しそうに言い捨て、その腕を大きく振り解き、左側に身体をずらす。
「ひどーい!何よ、ちょっと前まで、抱き合ってた仲じゃんっ」
彼のぞんざいな扱いに腹を立て、乃愛は頬を膨らます。
「馬鹿っ。そんな誤解させるような言い方、するなっつーの!夏休み前の話だろ」
陸は大慌てで乃愛を窘め、目の前に立ち尽くす、もう一人の彼女を見上げる。

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